今回は、算数がちょっぴり苦手な新5年生が、はまりやすい落とし穴についてのお話です。
それは、「 “割り切れるか否か” は判断基準として機能しなくなる」 ということ。
問題で取り扱う数値が整数・小数だけの時期であれば、四捨五入や余りの指示がない限り、割り算の答えはきちんと割り切れるように数値設定してあります。
例えば、「50cmで12円の紙テープがあります。1cmあたりの値段は何円ですか。」という、単位当たりの量に関する問題。
割り算で答えが出せるような気がするけど、どっちをどっちで割ればいいかよくわからないので、とりあえず両方計算してみよう。
50 ÷ 12 = 4.1666・・・ わりきれない
12 ÷ 50 = 0.24 わりきれる
だから、答えは 0.24円 のはず。
こんな風に切り抜けてきた、要領の良い生徒が少なからずいます。
ところが、新5年生になり、分数の割り算が学習済みになったとたん、割り切れなかった割り算の答えは分数で求められるようになるため、これまでの判断基準が通用しなくなり、困ってしまうわけです。
そこで、割り算の意味をもう一度よく考えてみて下さい。
全体量 ÷ 個数 = 1あたりの量
これが割り算の基本です。
この意味がよく理解できないときは、かけ算に戻る必要があります。
1あたりの量 × 個数 = 全体量
さらに、このかけ算の意味すらよく理解できないときは、いったん足し算まで戻ってかけ算の意味を説明する必要があります。
1あたりの量 + 1あたりの量 + 1あたりの量 = 全体量
1あたりの量 × 3 = 全体量
具体的にわかりやすい数値をあてはめて、ここまで噛み砕いて説明すれば、前述の問題で何を何で割るのか悩むことはなくなります。
大手塾の新5年生の授業で、「割り算とは?」なんて仰々しい内容を説明してもらうことはないと思うので、これを機会に確認してみて下さい。