春期講習が終わると同時に、大手塾では夏期講習の準備に入ります。
まだ肌寒い時期に夏のことを考え
残暑にバテそうな時期に冬のことを考え
直前期は6年生のことで目一杯なのに、頭脳の僅かな隙間で新学年の春のことを考える。
こんなふうに、塾では常に前倒しで物事が進んでいきます。
そろそろご家庭に、各塾の夏期講習日程に関するお知らせが届くはずです。
すると、毎年のことながら、学習相談のお電話でこんな質問が一気に増えます。
「6年生は夏期講習以外にオプション講座を取るべきでしょうか? 塾の先生には必ず取るように言われたんですけど。」
いえいえ、必ず取らなきゃいけないものではないです。だからこそオプションなわけですし。
じゃあ、どう判断すればよいのでしょう?
そもそも夏期講習に参加することさえ効果について疑問符がつく生徒もいますが、とりあえずここでは夏期講習に参加することが前提のお話だとお考え下さい。
まず、夏期講習期間中は
➀講習の授業を受ける
↓
➁その日のうちに授業の復習をする
↓
➂その日のうちに(もしくは、授業が午後からであれば翌朝に)宿題に取り組む
↓
④次の授業を受ける
という一連の学習スケジュールを毎日こなせるかどうかです。
このスケジュールをこなすのが精一杯の場合は、オプション講座は無理に取るべきではないでしょう。夏期講習だけに専念した方が、力はつきます。
このスケジュールを十分こなせるので、やはりオプションを受講したいという場合は、受講目的がポイントになります。
苦手単元の穴埋めを期待するのは正直難しいでしょう。
オプション講座は基本的に問題演習の場であり、わからない生徒のために基礎からじっくり解説を積み重ねるなんてことはしてくれません(受講する生徒が数名で、基礎的内容に特化する講座であれば別ですが)。
苦手単元を克服したいのであれば、各自が家庭学習で以前のテキストに戻って学習し直すしかありません。
オプション講座の効果が最も期待できるのは、実は得意単元についてです。
先程も述べたように、オプション講座は問題演習の場ですから、得意な単元の演習量を確保することで、より強固なものにすることができます。
どんな問題が出ても大丈夫という主要単元が1つでもあると、秋以降に精神的優位に立てるのは確かです。
夏に “苦手単元の穴埋め” をするか、”得意単元のさらなる補強” をするか。
現時点での優先順位を見極めて、オプションの受講の有無をご判断下さい。
以上、学習相談に対するお答えでした。