平面図形編に引き続き、真面目に算数について語ります。
今回は、立体図形が苦手な生徒に対する指導法について。
平面図形編では思いのほか長文になってしまったので、立体図形編では筆を抑えて奥ゆかしくいきたいと思います。
平面図形の場合と同様に、立体図形に対し苦手意識が強いのは、圧倒的に女子生徒です。
桜蔭や豊島岡女子の志望者から「過去問の立体図形が得点できない」という相談が増えるのも、この時期。
成績上位生であっても苦労するわけです。
平面図形のように2次元ならまだしも、立体図形は3次元。
見る力そのものに個人差が出てきます。
いわゆる「空間把握能力」だとか「立体感覚」だとか表現される、厄介な代物ですね。
この能力・感覚の持ち主は、幼少時にレゴやジェンガといった立体ブロックで遊んでいた生徒が多いようです。
私が受験生だった頃は、「幼少時に積み木で遊んでいた生徒は立体図形に強い」というのが定説でした。
もし幼少のお子様がいらっしゃるなら、今のうちですよ。
今年のサンタクロースからの贈り物は立体ブロックに決定ということで。
というのも、立体感覚を養うのは、年齢が上がるにつれ困難を極めます。
これまでの経験上、6年生にもなってしまうとちょっと厳しいかな、というのが個人的な見解です。
では、あきらめろ、とでも?
いえいえ。 そこで算数講師の出番となります。
立体を立体的にとらえるのは限界があります。
ならば、 立体を平面的にとらえるためにはどうすればよいか?
その技術を教えるのです。
これに尽きるでしょう。
例えば「仕切りのある水そう」「立方体を積み重ねて作った立体」などは平面化して考えるのが定石。
この辺りは序の口です。
考えにくい立体図形を出題するのは、男女問わず難関校。
複雑な立体の見取図を書ける生徒なんて、そうはいないでしょう。
難関校を目指すのであれば、『立体を平面的にとらえる技術』 を身につけて入試に挑むしかありません。
ですから、その技術を教える必要があると。
算数講師に突きつけられた課題です。