2月入試が一段落すると、主要校の 入試問題解き を本格的に始めます。
例年、春休みに入るまでを目途に50校以上。
目的は「入試問題の傾向分析」と「講師としての自己研鑽」です。
1月校の入試問題は1月中に解き終えていることが多いので、2月校の問題を中心に解くわけですが、まずJGを解いて、桜蔭を解いて、開成を解いて、・・・というのがいつものパターン。
理由は・・・特にないんですけど。
今年度の上記3校を解き終わっての感想
開成・・・易しすぎたのでは?
[1]小問が2題
設問1は約束記号の計算問題。
まだ緊張がほぐれないときに長~い分数式の処理に手間どってミスした受験生や、最後に全体が《 》でくくられているのを見落として計算し忘れたアワテモノの受験生はいたかもしれません。
設問2は平面図形。
補助線を引いて、「30度・60度・90度の直角三角形」を利用しておしまい。
[2]一瞬目を疑った問題。 “天下の開成”が何の変哲もないニュートン算を出題するとは・・・。
[3]一定の金額を支払うときの硬貨の組み合わせ。 ようやく開成らしい問題が登場。
でも、設問1・2は、問題文中に与えられた規則性のヒントをもとに、ある程度書き出して全体像を把握できれば、あとは規則性にしたがって計算するだけ。
設問3が唯一難易度が高く、ここで確実に得点差はついたはず。
[4]ここまでの内容を考えれば、最後には超重量級問題が控えているはず。
・・・はず・・・なんですけど・・・いたって普通の立方体の切断。
さすがに、開成志望でこの程度の切断面の作図ができない受験生は皆無。
切断後の立体の求積でも、延長して三角すいにする方法を知らない受験生や、ひし形の切断面で立方体が2等分されていることを知らない受験生は皆無。
なので、ミスさえなければ得点できるはず。
学校のH.P.を見ると
国語が85点満点中、合格者平均点36.2点、受験者平均点30.2点
算数が85点満点中、合格者平均点72.1点、受験者平均点57.7点
こんなに解きやすい入試問題セットだったにもかかわらず、算数で得点差がついているとは。
今年の算数で思うように得点できなかった志望者は、潔く「力不足だった」と認めざるをえないでしょう。
合格した生徒にとっては、物足りなかったかな。
算数については徹底的に鍛え上げられた猛者たちが集まる開成中の入試です。
来年度は、その猛者たちが夢中になって解くような入試問題のセットであるはず(?)。