こんな状況ですから、大手塾では授業がお休みのところが多く、また交通機関の影響で通塾できない生徒もいることでしょう。
思いがけず家庭学習の時間が確保できてしまった今だからこそ、算数で新6年生に取り組んでもらいたいこと。
以下に列記したいと思います。
[1]新6年生の2月から現在まで学習済みの単元の総復習
新6年生になって取り扱う内容の難易度がぐっと上がり、消化不良のままズルズルと1ヶ月半を過ごした生徒にとっては挽回するチャンスです。
春期講習で2・3月の学習内容の復習を行う塾が多いでしょうが、その前に基本問題だけでも復習しておくと、春期講習での定着具合に差が出ます。
[2]典型題に特化した一行問題演習
4月・5月にはどの塾も合否判定テストのような模試が実施されます。既習内容がすべて範囲になるため、この類いの模試の対策をしようと思っても、一体何から手をつけたら良いのか見当がつかないという相談を受けます。
この時期、出題範囲がない模試を受けると、前半の一行問題群で大きく失点する生徒が続出します。そのほとんどが、学習した当時は解けていたのに、今は忘れてしまって解けないというパターン。
毎週の家庭学習スケジュールに既習単元の復習時間を組み込んでいる生徒であれば「穴」は少ないでしょうが、そこまで取り組めている生徒は一握りでしょう。
春期講習に入るまでのこの1週間で、典型題に特化した一行問題演習を行いましょう。使う素材は、SAPIX生なら5年8月から6年3月までの『基礎トレ』の!問題(数値変えのページはすべてとばす)、四谷大塚系列生は5年上・下と6年上の『計算と一行問題集』総合回すべて、日能研生は5年前期・後期『本科教室』の「学びのひろば」もしくはカリテの共通問題(算数の偏差値が40以下の生徒は基礎問題)あたりが効果的です。
[3]苦手単元の基礎からの見直し
苦手な単元が明確な生徒は、基礎からじっくり見直すのも良いでしょう。ただし、苦手であればあるほど見直すのに時間がかかります。あれもこれもと欲張らず、ひとつの単元にしぼって取り組んで下さい。「これだけやったんだから」と思えるようになれば、苦手意識も和らぎます。
落ち着いて学習に取り組めるような状況ではないかもしれませんが、こんなときこそ受験生の真価が問われます。
頑張りましょう。