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投稿日:2011年04月06日

テーマ: 算数

3Dの眼力

以前、平面図形を得点源とする生徒と苦手とする生徒との違いについて、こんなことを述べました。

 
決定的な違いは、図形を見るときの視点 です。
 
苦手とする生徒は、問題で与えられた図形全体をただ漠然と見ています。
それに対し、得点源とする生徒は、問題で与えられた図形の中にある、軸となる基本図形(相似な三角形、高さの等しい三角形、平行線で挟まれた図形etc.)を探しているのです。
 
この「軸となる基本図形を探す」という意識を持たせることで、図形を見るときの視点は大きく変化します。
 
①10個の基本図形を頭に叩き込む
②常に基本図形を探すという意識で問題を見る練習をする
③「全体の何分のいくつ」という計算方法と、小さい部分の面積比を設定してから全体を求める計算方法の両方を使い分ける練習をする
この①~③を徹底した上で、演習量を確保することで、平面図形の正答率は上がっていきます。
 
 
6年生は只今②の練習の真っ最中。
 
平面図形に対してセンスの有無を持ち出すのは反則だと思っていますが、残念ながらこの②の段階で基本図形をあっさり見つけられるかどうかについては個人差があります。練習を積み重ねることでいずれは見つけられるようになりますが、時間がかかる生徒とそうでない生徒に分かれる点は否めません。
 
全ての生徒に同じように見つけるときのポイント・コツを教えても、余計な線が引いてあると全く見つけられない生徒がいる一方で、完璧に見切っている生徒もいるわけです。
 
見つけられない生徒にしてみれば「なんで見えるの?」
見切っている生徒にしてみれば「なんで見えないの?」
お互い不思議に思っているらしい・・・。
 
さらに、見切っている生徒曰く
「図形を見ると、その問題を解くのに必要な『基本図形』の部分だけが浮き上がって見える。 そんな感じ。」
 
素晴らしい。
この生徒に限らず、図形が見えている生徒はこれと似たような感覚を持っています。
 
「3DのテレビとかDSとか、あの浮き上がって見えるのと同じ。」
上手いこと言いますね。図形が見える生徒にとってはまさにそんな感覚です。
 
それを聞いた図形苦手少女は
「え~、浮き上がって見えるとかおかしいし。眼科で診てもらった方がいいよ。」
ぼそっとつぶやいたあと、気を取り直して
「じゃあ、その3Dの目を手に入れるために、頑張る!」
 
 
数日後、その生徒のお母様が「『図形が得意なお友達から3Dのテレビをすすめられたから買って』と娘が言うんですけど」
 
・・・どうやらちゃんと伝わってないようです・・・。