みなさん、こんにちは。
受験ドクター国語科の村岡です。
塾では2月から新学年としての学習がスタートします。
一つ上の学年として「がんばらなきゃ」と意気込むお子さん。
それをほほえましく見守る親御様…
こんな姿がたくさん見られる時期ですね。
ただスタートしてみると、そんな明るい話ばかりではないことがしばしば。
「なんか難しいんだけど・・・」
「テキストの字が小さい!!?」
「宿題が多すぎてやだー(TT)」
こんな声が聞こえてきそうです。親御様も、お子さんが苦戦する姿を見ていると、
「スタートからこんなので大丈夫かしら・・・?」
「○○ちゃんはあんなにすらすらできているのに・・・」
なんてことを考えてしまったり…
そこで今回は、「新学年の最初の難関」である「家庭学習の取り組み方」についてお伝えしたいと思います。
0.新学年の最初の難関「家庭学習」の問題
新学年がスタートしたばかりの時期に最もお悩みが多いのが「家庭学習」についてです。
家庭学習でつまずいてしまう原因には、①学習内容の難しさ ②学習量の増加 ③学習習慣が作られていないこと の3つが考えられます。
この3つの原因のうち、いずれかが原因になってつまずきが生まれていたり、いくつかの原因が絡み合って今のお子さんのつまずきが生まれたり、様々なケースが考えられます。まずはこの3つのうちのどこにつまずきの原因があるかを見定める必要があります。
1.つまずきの原因①「学習内容の難しさ」
新学年になると、当たり前のことですが学習内容の難易度が上がります。学習内容自体がより高度な内容になっていくだけでなく、題材自体が「具体的」なものからより「抽象的」なものに変わっていくこともお子さんが苦労するポイントになります。
例えば、国語の説明的文章。小4くらいまでは虫の生態などいわゆる「理科的な説明文」が中心になることが多いですが、小5あたりになると「哲学的な文章」なども少しずつ登場することになります。
「このチョウは、Aという木に多くとまります。」なんて言う文章に慣れてきたお子さんが、ある日突然「自分とは?」とか「生きるとは?」とか…そんな文章に触れることになるわけです。
身近なものから離れ、より抽象的な要素が増えていくとなかなか理解に時間がかかってしまうことになります。
2.つまずきの原因②「学習量の増加」
学年が上がることで、科目が増えたり、あるいはそもそもの学習量が増えるのは致し方ないことです。
科目が増えた場合は、実質学習する内容が2倍になるのと同じなので、当然今までの学習時間だけでは苦しくなってくるのは目に見えていますね。また、塾によっては通塾日数自体が増えることもあります。週1日から週2日になれば、当然扱う内容も増えますし、またそれに伴う復習も多くなっていきます。さらに、カリキュラム自体がどんどんはやくなっていけば、余計にお子さんの負担は増えていくことになります。
塾の日数が増える⇒授業の進みがはやくなる+宿題も増える。でも、家庭での学習時間は減ってしまう。こういう状況がお子さんに襲いかかってくることになります。
3.つまずきの原因③「学習習慣」
これは初めて塾に通われることになったご家庭に多くあるかもしれません。学校の宿題をこなす時間にさらに塾の学習を進める時間が増えることで、時間をどう使っていいか分からなくなってしまい、ペース配分がうまくできなくなってしまうことがあります。また前項とも関連しますが、内容が難しく、量も多いとなると、余計にペースが乱れてしまいます。
積みあがった課題をみて、ため息をつくお子さん…あんまり見たい姿ではありませんね。
「新学年のつまずき」の克服のために必要なこと
①「慣れ」と「アシスト」
受験勉強において抽象度の高い内容を避けて通ることはできません。身近な例を使って少しずつでも理解を進めていく必要があります。したがって、抽象的な考え方を使い慣れていくことがとっても重要なことになります。ただし、これは塾の役目。ご家庭では、どんな部分につまずきを抱えているか、そしてそれを教える側に伝えられるか、を意識していただくことが重要です。親御様もお忙しい中で、お勉強を見ることになると思います。そうすると、取り組み方・考え方を教えるというよりも「答えを教える」ということになりがちです。ぐっとこらえて教えすぎない、ということを意識していただくとよいでしょう。
②「ペースメイキング」のための「スケジュール作り」
お子さんは計画を立てるというのが苦手な傾向にあります。よしんば計画を立てたとしても、あまりにも無理がある計画になってしまう…まずは親御様の側で一週間の学習の計画を立てるサポートをしてみてください。どういう計画を立てるべきか、無理がない計画はどんな計画か、そういったことをお子さんにまず見せてあげることが重要です。
そして、その計画を立てる際に気を付けていただきたいのは「学年×2+1」。
これが一週間の家庭学習時間の目安です。(例えば3年生なら、3×2+1=7時間となります。)この時間を適切に割り振っていく必要があります。
スケジュールの例
これを意識してまずは1週間回してみること。そしてうまくいった部分とそうでない部分をきちんと精査するこ と。これを繰り返しながら、「お子さん専用のスケジュール」に仕上げていくとよいでしょう。(約束事なんかもきちんと書いておくといいかもしれませんね。)
また、課題の内容にも注意が必要です。時間をかけて取り組みたいもの、隙間の時間に取り組むべきもの の二種類に分けてみてください。漢字や計算は後者、読解や文章題などは前者になるでしょう。特に隙間の時間に取り組むものは、誤解を恐れずに言えば「あまり考えなくてもできる課題」です。こういう課題は終わりの時間をしっかり決めて取り組みましょう。(余談ですが、「簡単なこと」を「朝飯前」と言いますね。そう考えると、「朝飯前」に「簡単なこと」を取り組むというのは昔からずーっと言われてきたことなのかな、と思えてきます。)
さて、今回は「新学年のスタートをスムーズに」ということで、最もお悩みが多いであろう「家庭学習」に焦点を絞ってお話ししました。今回の内容がこれからお勉強を始める方のお役に立てば何よりです!では、また!