今回のポイント “1”変化させてみよう
【問 題】
下図のような台形ABCDがあります。Pは辺CD上の点です。
三角形ABPの面積が30cm2のとき、CPの長さは何cmですか。
[桐朋2008年]
【解答・解説】
まず、皆さんが思いつく解き方は、三角形ADPと三角形BCPの合計の面積を
出すことです。
台形ABCD-三角形ABP=
(6+10)×9÷2 - 30 =72-30=42(cm2)
ここで“つるかめ算”で解く方法もありますが、
今回は違った方法で解いてみましょう。
~その1 極端な場合を考える~
極端な場合を考えてみましょう。点Pが点Dにあった場合、三角形ABPの面積は
6×9÷2=27(cm2)
では、点Pが点Cにあった場合、三角形ABPの面積は
10×9÷2=45(cm2)
この2つから、三角形ABPの面積が30cm2のときの点Pの位置は
点Dに近いことがわかります。
~“1”変化させてみよう~
点Pが点Dに近いのですから、点Dからどれだけ離れているかを出せば
いいことになります。
どれだけ離れているか、すぐにはわかりませんが、
とりあえず“1cm”動かした時、
三角形ABPの面積はどうなるか、を考えてみましょう。
三角形ABP=台形ABCD-(三角形ADP+三角形BCP)
=72-(1×6÷2+8×10÷2)=29(cm2)
では、2cm動かしたらどうなるでしょうか。
三角形ABP=72-(2×6÷2+7×10÷2)=31(cm2)
3cm動かすと
三角形ABP=72-(3×6÷2+6×10÷2)=33(cm2)
三角形ABPの面積は点Pを点Dから点Cに1cmずつ動かしてゆくと
0cm・・・27cm2
1cm・・・29cm2
2cm・・・31cm2
3cm・・・33cm2
つまり、1cm点Pを動かすと、三角形ABPの面積は2cm2ずつ
増えてゆくことがわかります。
30cm2になるためには、3cm2増やせばいいので
3÷2=1.5(cm)
点Pを点Dから点Cへ1.5cm動かせばいいことになります。
よってCPの長さは
9-1.5=7.5cm
答 7.5cm
~この解き方で麻布の問題も解けます~
【問 題】
1辺の長さが1cmの正六角形ABCDEFがあります。
この正六角形の平行な2辺ABとEDを同じ長さだけのばして、
図3のように新しい六角形を作ったところ、面積が二倍になりました。
この新しい六角形において、辺ABの長さを求めなさい。
[麻布2012年]
【解答・解説】
下図のように正六角形ABCDEFの面積は正三角形ABOの面積の6こ分です。
~1cmのばしてみる~
辺ABと辺EDをとりあえず、1cm伸ばしてみましょう。
そうすると下図のようになり、正三角形ABOの面積の4こ分増えることが
分かります。
正六角形ABCDEFの2倍の面積にすればいいのですから、
6こ分増やせばいいわけです。
6÷4=1.5(cm)
6こ増やすには1.5cm伸ばせばいいので、辺ABの長さは
1+1.5=2.5(cm)
答 2.5cm
この問題は2012年の麻布中学 問題6 (2)のアです。(2)のイ、(3)も
同じ解き方で解けますので挑戦してみてください。
問題を解くときにいきづまったら、とりあえず“1”変化させてみる! です。