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投稿日:2012年04月11日

テーマ: 算数 / 自由が丘校

入試に使える算数の基礎②

   今回のポイント   “1”変化させてみよう

 

【問  題】
下図のような台形ABCDがあります。Pは辺CD上の点です。
三角形ABPの面積が30cm2のとき、CPの長さは何cmですか。

[桐朋2008年]

 

 

【解答・解説】

まず、皆さんが思いつく解き方は、三角形ADPと三角形BCPの合計の面積を
出すことです。

台形ABCD-三角形ABP=
(6+10)×9÷2 - 30 =72-30=42(cm2)

ここで“つるかめ算”で解く方法もありますが、
今回は違った方法で解いてみましょう。

 

    ~その1 極端な場合を考える~

 

極端な場合を考えてみましょう。点Pが点Dにあった場合、三角形ABPの面積は

6×9÷2=27(cm2)

では、点Pが点Cにあった場合、三角形ABPの面積は

10×9÷2=45(cm2)

この2つから、三角形ABPの面積が30cm2のときの点Pの位置は

点Dに近いことがわかります。

 

    ~“1”変化させてみよう~

 

点Pが点Dに近いのですから、点Dからどれだけ離れているかを出せば
いいことになります。

どれだけ離れているか、すぐにはわかりませんが、

とりあえず“1cm”動かした時、

三角形ABPの面積はどうなるか、を考えてみましょう。

 

 

三角形ABP=台形ABCD-(三角形ADP+三角形BCP)

=72-(1×6÷2+8×10÷2)=29(cm2)

では、2cm動かしたらどうなるでしょうか。

三角形ABP=72-(2×6÷2+7×10÷2)=31(cm2)

3cm動かすと

三角形ABP=72-(3×6÷2+6×10÷2)=33(cm2)

三角形ABPの面積は点Pを点Dから点Cに1cmずつ動かしてゆくと

0cm・・・27cm2
1cm・・・29cm2
2cm・・・31cm2
3cm・・・33cm2

つまり、1cm点Pを動かすと、三角形ABPの面積は2cm2ずつ
増えてゆくことがわかります。

30cm2になるためには、3cm2増やせばいいので

3÷2=1.5(cm)

点Pを点Dから点Cへ1.5cm動かせばいいことになります。
よってCPの長さは

9-1.5=7.5cm

                                 答  7.5cm  

 

    ~この解き方で麻布の問題も解けます~

 

【問  題】

1辺の長さが1cmの正六角形ABCDEFがあります。
この正六角形の平行な2辺ABとEDを同じ長さだけのばして、
図3のように新しい六角形を作ったところ、面積が二倍になりました。
この新しい六角形において、辺ABの長さを求めなさい。

[麻布2012年]

 

【解答・解説】
下図のように正六角形ABCDEFの面積は正三角形ABOの面積の6こ分です。

 

    ~1cmのばしてみる~

辺ABと辺EDをとりあえず、1cm伸ばしてみましょう。
そうすると下図のようになり、正三角形ABOの面積の4こ分増えることが
分かります。

 

正六角形ABCDEFの2倍の面積にすればいいのですから、
6こ分増やせばいいわけです。

6÷4=1.5(cm)

6こ増やすには1.5cm伸ばせばいいので、辺ABの長さは

1+1.5=2.5(cm)

 

                            答   2.5cm 

 

この問題は2012年の麻布中学 問題6 (2)のアです。(2)のイ、(3)も
同じ解き方で解けますので挑戦してみてください。

問題を解くときにいきづまったら、とりあえず“1”変化させてみる! です。