今回は鴎友学園女子の問題に挑戦します。鴎友学園はミッションスクールではありませんが、
自由な校風の中、キリスト教の精神を教育に取り入れ、リトミックや園芸を授業に組み込むなど、
特色のある中学校です。
【問 題】
1辺が6cmの正六角形ABCDEFがあります。AP:PF=2:1、AR:RD=1:2、ET=2cmです。
QRの長さを求めなさい。
[鴎友学園女子]
【解答・解説】
平面図形の問題は非常にバラエティに富んでいますが、頻出なのは「面積と辺の比」です。
この問題には必ず「相似」が絡んできます。相似の図形が見つけられるかどうかが
大きなカギになります。
では、相似の図形を見つけるためにはどうしたらいいでしょう。
平行線に注目すること
です。
皆さんがよく知っている、
この二つが相似の図形の基本です。直角三角形の場合はまた別にありますが、
この基本形を当てはめて相似の図形を探すのです。
本当は、どうして、この形が相似の図形になるのか、というところも理解してほしいのですが、
これはまた別の機会に。
では、問題に戻って、平行線に注目してみましょう。
① どの辺とどの辺が平行線かを確認する
まず、平行線を見つけることが大事です。正六角形の場合、向かい合う辺と対角線が平行になります。
他に平行線がないかどうか探すために、
② わかる線の長さ、角度を書いてゆく
図形は眺めていても解法の糸口はつかめません。わかる長さ、角度、同じ長さの辺を
どんどん書き込んでゆきましょう。
そこから正三角形、二等辺三角形、各種の四角形、相似の図形を見つけてゆくのです。
この図形の場合は、正六角形ですから、1つの内角は120°、その半分は60°ですから
角ABS=120° 角PAR=60°
AP:PF=2:1 → AP=6÷3×2=4cm
AD=BC×2 → AD=6×2=12cm
AR:RD=1:2 → AR=12÷3×1=4cm
三角形APRにおいて
角PAR=60° AP=AR=4cm より 三角形APRは正三角形。
つまり、PR=4cm
四角形ABSPにおいて
角BAP=角ABS=120° 角APR=60° より 角BSP=60°
つまり、四角形ABSPは等脚台形。
ということは ABとPS、さらにDEは平行
ということになります。
ここで、新たな平行線が出てきましたので、相似形を探します。相似の基本形を当てはめてみると
上図のように
三角形ADT と 三角形ARQ が相似
ということがわかります。
相似比は
三角形ADT : 三角形ARQ = 3 : 1
TD : RQ = 3 : 1
TD = 6cm ÷ 3 × 2 = 4cm
PRも4cmですから
PR : RQ : PQ = 3 : 1 : 2
となり
答え
「面積と辺の比」のポイントは
平行線に注目する
ことです。
次回はこの問題を別の解き方で解く方法を考えます。
算数はいろいろな解き方を学習すると応用力がつきます。
お楽しみに