メニュー

投稿日:2012年05月23日

テーマ: 算数 / 自由が丘校

入試に使える算数の基礎 ~平行線に注目しよう~

今回は鴎友学園女子の問題に挑戦します。鴎友学園はミッションスクールではありませんが、

自由な校風の中、キリスト教の精神を教育に取り入れ、リトミックや園芸を授業に組み込むなど、

特色のある中学校です。

 

【問 題】

1辺が6cmの正六角形ABCDEFがあります。AP:PF=2:1、AR:RD=1:2、ET=2cmです。

QRの長さを求めなさい。

 

[鴎友学園女子]

 

【解答・解説】

平面図形の問題は非常にバラエティに富んでいますが、頻出なのは「面積と辺の比」です。

この問題には必ず「相似」が絡んできます。相似の図形が見つけられるかどうかが

大きなカギになります。

 

では、相似の図形を見つけるためにはどうしたらいいでしょう。

 

       平行線に注目すること

 

です。

 

皆さんがよく知っている、

 

 

この二つが相似の図形の基本です。直角三角形の場合はまた別にありますが、

この基本形を当てはめて相似の図形を探すのです。

 

本当は、どうして、この形が相似の図形になるのか、というところも理解してほしいのですが、

これはまた別の機会に。

 

では、問題に戻って、平行線に注目してみましょう。

 

    ①    どの辺とどの辺が平行線かを確認する

 

まず、平行線を見つけることが大事です。正六角形の場合、向かい合う辺と対角線が平行になります。

 

 

他に平行線がないかどうか探すために、

 

    ②    わかる線の長さ、角度を書いてゆく

 

 

図形は眺めていても解法の糸口はつかめません。わかる長さ、角度、同じ長さの辺を

どんどん書き込んでゆきましょう。

そこから正三角形、二等辺三角形、各種の四角形、相似の図形を見つけてゆくのです。

 

この図形の場合は、正六角形ですから、1つの内角は120°、その半分は60°ですから

 

      角ABS=120°  角PAR=60°

 

      AP:PF=2:1 → AP=6÷3×2=4cm

 

      AD=BC×2 → AD=6×2=12cm

 

      AR:RD=1:2 → AR=12÷3×1=4cm

 

三角形APRにおいて

 

      角PAR=60° AP=AR=4cm より 三角形APRは正三角形。

      つまり、PR=4cm

 

四角形ABSPにおいて

 

      角BAP=角ABS=120° 角APR=60° より 角BSP=60°

      つまり、四角形ABSPは等脚台形。

 

      ということは ABとPS、さらにDEは平行

 

ということになります。

 

ここで、新たな平行線が出てきましたので、相似形を探します。相似の基本形を当てはめてみると

 

 

上図のように

 

      三角形ADT と 三角形ARQ が相似

 

ということがわかります。

 

相似比は

 

      三角形ADT : 三角形ARQ = 3 : 1

 

      TD : RQ = 3 : 1

 

      TD = 6cm ÷ 3 × 2 = 4cm

 

PRも4cmですから

 

      PR : RQ : PQ = 3 : 1 : 2

 

となり

 

 

                            答え  

 

 

「面積と辺の比」のポイントは

 

      平行線に注目する

 

ことです。

 

次回はこの問題を別の解き方で解く方法を考えます。

算数はいろいろな解き方を学習すると応用力がつきます。

お楽しみに