【問 題】
4けたの整数があります。いま、千の位と十の位の下図を交換し、
百の位と一の位の数を交換した整数を考えます。
(ただし、交換してできた整数は4桁になるとは限りません。
たとえば、もとの整数が1203のとき、交換してできた整数は312になると考えます。)
元の整数と交換してできた整数の和を考える時、次の問いについて答えなさい。
(1) この和は常にある整数の倍数になります。この整数を答えなさい。
(2) この整数の和が15857になりました。もとの整数として考えられる数の中で
最も大きい数を求めなさい。
[学習院]
【解答・解説】
典型的な数の性質の問題です。
まずは問題を確認しましょう。元の整数は4桁ですから、それぞれの位の数を仮に
千 百 十 一
A B C D
とおきます。
「千の位と十の位の数を交換し、百の位と一の位の数を交換」すのですから、
下図のようになります。
このような数の問題を解く、常套手段は
それぞれの位の数で分解すること
です。
例えば1234という整数でしたら
1234=1×1000+2×100+3×10+4
と分解できます。この分解法は様々な入試問題で使えるので覚えて
おきましょう。桜陰、麻布といった御三家でも出題されています。
最後まで解法がわからなくても、とりあえず、やってみる! という
のが重要です。
この学習院の問題も各位の数を分解して考えてみましょう。
(1)の解法
元の整数 =A×1000+B×100+C×10+D
交換した数=C×1000+D×100+A×10+B
元の数+交換した数 が「ある整数の倍数」になっているのですから
元の整数+交換した数 = 「ある整数」×□
となるはずです。
元の整数+交換した数 = A×1000+B×100+C×10+D
+ C×1000+D×100+A×10+B
これをアルファベットでまとめると
=A×(1000+10)+B×(100+1)+C×(1000+10)+D×(100+1)
=A×1010+B×101+C×1010+D×101
=A×10×101+B×101+C×10×101+D×101
さらにまとめると
=101×(A×10+B+C×10+D)
つまり、元の整数+交換した数は
101の倍数
です。
答.101
(2)の解法
元の整数+交換した数=15857
になる場合です。(1)から
元の整数+交換した数=101×(A×10+B+C×10+D)
=101×(A×10+C×10+B+D)
ということは、15857も101の倍数ですから
15857=101×157
です。つまり
A×10+C×10+B+D=157
です。
A×10+C×10+B+D=(A+C)×10+B+D
と書けて、(A+C)×10 の部分と B+D の部分に分けることができます。
これが157になる場合、どんな数が当てはまるのか考えてみます。
(A+C)×10 B+D
場合① 150 7
場合② 140 17
場合③ 130 27 → ×
場合③はB、Dは一桁の整数ですから足して27になることはできません。
つまり、場合①か②で考えます。
求める数は
「もとの整数として考えられる数の中で最も大きい数」
です。
ということは、いかにAを大きくし、次にBを大きくすればいいのです。
場合①について
A+C=15 → A=9、C=6
B+D=7 → B=7、D=0
もとの整数は 9760
場合②について
A+C=14 → A=9、C=5
B+D=17 → B=9、D=8
もとの整数は 9958
つまり答は、9958 になります。
答.9958