【問 題】
1200ℓ入る水そうがあります。この水そうに、給水管から常に一定の割合で水を入れます。
また、この水そうの底には同じ太さの3本の排水管(はいすいかん)がついています。
いま水そうには400ℓの水が入っています。排水管を1本だけ開いた状態で給水すると、
20分で満水になり、排水管を2本だけ開いた状態で給水すると、50分で満水になります。
必要があれば、下のグラフを利用して解きなさい。
(1) 排水管を2本だけ開いた状態で給水すると、20分後に水そうには何ℓの水が入っていますか。
(2) 排水管を3本とも開いた状態で給水すると、何分後に水そうが満水または空(から)になりますか。
[鴎友学園女子]
【解答・解説】
鴎(カモメ)のマークで有名な(?)、鴎友学園女子の問題です。
鴎友は途中式を書くよう指示されていますが、単に式だけではなく(暗算でできる計算も
式を書く)、きちんとした説明(何を①とおくか、線分図は何を表すのか、
違う比を○と□で区別しているか)も書くように学校説明会では話がありました。
この解答の書き方は大学入試に通じるもので、非常に好感が持てます。
小学生の時から、ただ正解をだして満足するのではなく、
いかに相手に伝わるように解答を書くか、ということを意識して
答えることは非常にいいことだと思います。
~★ 「水量の変化」の問題は平面図を描く!
さて、この鴎友の問題ですが、「水量の変化」の問題としては簡単な問題です。
問題分の内容さえ理解できれば、正答できます。
問題文の理解はまず、図を書くことから! はじめましょう。
とにかく、わからなかったら図です!
問題文には下記の2点が書いてあります。
「400ℓの水が入っています。」
1.「排水管を1本だけ開いた状態で給水すると、20分で満水」
2.「排水管を2本だけ開いた状態で給水すると、50分で満水」
これを図に描き、1分間に入る水の量をだすと
になります。
(1) は、Bの場合の20分後の水の量ですから、
400+16×20=720(ℓ)
です。
答 720ℓ
~★ グラフで解いてみよう!
せっかく、「問題文にグラフを利用して」とありますので、グラフを使って
解いてみましょう。これは他の単元(図形上の点の移動など)でも応用が利きます。
グラフに問題文の情報を書き入れます。
Bは50分で800ℓ増えるのですから、1分で
800÷50=16(ℓ)
増え、20分では
16×20=320(ℓ)
増えます。もともと 400ℓあったのですから、
400+320=720(ℓ)
が答になります。
(2)は「排水管が3本」と、配水管の数が増えてますから排水管1本の排水量を
だします。
(1)でだした、
A(排水管1本) 1分で入る水の量 40ℓ
B(排水管2本) 1分で入る水の量 16ℓ
これもすぐわからないようでしたら図を書いてみましょう。
線分図は、まず差に注目! です(差で駄目だったら和に注目)から、
「排水管1本分の水の量」は 40-16=24(ℓ)
とわかります。
給水管からでる水の量は図より
40+24=64(ℓ)
です。
排水管3本空けると、
24×3=72(ℓ)
となり、給水管からでる水の量より、排水管から出る水の量のほうが多くなってしまいます。
つまり、どんどん水の量が減るわけです。
1分間で減る水の量は
72-64=8(ℓ)
ですから
400÷8=50(分)
答 50分