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投稿日:2012年04月18日

テーマ: 理科 / 自由が丘校

自由が丘校 理科の問題(4/11掲載分)

【問   題】

地球を球形と考えて、はじめて地球の大きさを求めたのは、 エラトステネスで、紀元前230年ころのことです。

夏至の日、シエネという都市では正午に太陽が真上(天頂)を 通り、シエネから900km真北にあるアレクサンドリアでは、

夏至の日の南中高度が82.8°であることを用いて エラトステネスは地球の大きさを求めたと言われています。

この時、下記の問いに答えなさい。

(1)アレクサンドリアの緯度は何度でしょう。

①7.2° ②30.6° ③59.4° ④75.6°

(2)地球一周の長さを計算すると何kmでしょう。

①5400km ②10800km ③21600km ④45000km

[サレジオ学院]

 

【解答・解説】

 ■図を書くことが重要!

サレジオ学院で出題されたもともとの問題には地球の図が書いてあり、 解きやすくなっています。

しかし、地球と月、太陽の関係は自分で図を何回も書いて理解する 必要があり、

この問題についても問題文から図を自分で書けるように 訓練しておきましょう。

 

 ■問題のポイント

・夏至の日 → 地球と太陽の関係は?

・シエネでは正午の太陽は真上 → 南中高度90°

・アレクサンドリアでは太陽の南中高度は82.8°

・シエネから900km真北にアレクサンドリアがある

ちなみにシエネは今のアスワンという都市です。

エジプトの地図で 見るとアスワンとアレクサンドリアの位置がわかります。

以上から下記の図を描くことができます。

 

夏至の日ですから、北極を上にすると地軸は太陽に向かって 23.4°傾いています。

(1)アレクサンドリアの緯度

公式を知ってる生徒はすぐにできます。

夏至の日の太陽南中高度=90°-緯度+23.4°

82.8°=90-緯度+23.4°

緯  度 =30.6°

                               答   ② 

公式は答えを出すには楽ですが、根本的に理解していないと 応用力がつきません。

図できちんと理解しましょう。

太陽の高度は、地面と太陽の光りとのなす角です。真上(天頂)と太陽の光りとの なす角(=ア)は

90°-82.8°=7.2°  ・・・角ア

太陽の光は平行ですから角アと角イは同位角で

角イ=7.2°

緯度=角イ+角ウ =7.2°+23.4° =30.6°

になります。

(2)地球一周の長さ

「シエネから900km真北にアレクサンドリアがある」のです。 図を書くとすぐにわかります。

7.2°の角度で900km、つまり地球の一周の長さは

360°÷7.2°×900km=45000km

                              答   ④ 

 

 ■エラトステネスさんとは?

今から2250年くらい前にエジプトで活躍したギリシャ人で、数学と天文学の分野で

大きな業績を残した人です。

世界初の天球儀作ったり、サレジオ学院の問題にある地球の大きさ(一周の長さ)を

計算したりしたことで有名です。

地球一周の長さは赤道周りと北極南極周りでは長さが違います(赤道周りのほうが長い)が、

地球が完全な球体で太陽の光が平行であるとすると、エラトステネスの計算方法は 正しく、

計算結果もほぼ正確なものです。

このような偉業のため「世界で2番目に物事をよく知っている人」と 呼ばれていたそうです。

 ■次回は

次回の自由が丘校 理科の問題は4/25(木)に自由が丘校の白板に掲載予定です。 お楽しみに。