今回の「基本を考えよう」は「辺の比と面積比」です。
パターン1
「辺の比と面積比」の基本は、なんと言っても下図です。
三角形ABD と 三角形ACD の面積の比は、
BDとDCの比に等しくなります。
問題に出されている図の中に、この基本パターンを見つけ出したり、
この基本パターンを当てはめるためには、どこに補助線を引いたら
いいのか、を考えると、より多くの問題が解けるようになります。
では、なぜ、三角形ABD と 三角形ACD の面積の比は、BDとDCの
比に等しくなるのでしょうか。
これは皆さんよくご存知だと思いますが、下の図のように、点Aを通り、BC
に平行な線を引きますと
三角形ABD と 三角形ACD は高さが同じ
であることが解ります。
ですから、三角形の面積は底辺の比に等しくなります。
パターン2
では、下の図ではどうでしょう。
三角形ABE と 三角形ACE の面積の比は、
BDとDCの比に等しくなります。
大手塾のテキストによく出てくる図形です。
ではどうして三角形ABE と 三角形ACE の面積の比は、BDとDCの
比に等しくなるのでしょう。
三角形ABE と 三角形ACE はAEが共通で、この辺が底辺になります。
つまり、この2つの三角形の面積比は、”高さ”に等しくなります。
BDとDCの比がどうして、”高さ”の比に等しくなるのか考えてみましょう。
まず、下図のように、点B、Cを通り、ADに平行な線をそれぞれ引きます。
つぎに三角形ABE と 三角形ACE の”高さ”になる直線を、点Dを通る
ように引きます。
すると次の図のように、黄土色と水色の三角形が相似の関係になり、その相似
比は
3:2
になります。
つまり、対応する”高さ”の辺の長さも、同じく3:2になるわけです。
ですから、BDとDCの比は、”高さ”の比に等しくなり、三角形ABE と
三角形ACE の面積の比に等しくなるわけです。
パターン3
この図形の場合も覚えておくほうが良いでしょう。
三角ABC と 三角形ACD の面積の比は、BEとEDの長さの比に等し
くなります。
理由はパターン2と全く同じです。
三角形ABC と 三角形ACD はACが共通で、この辺が底辺になります。
パターン2と同様に、この2つの三角形の面積比は、”高さ”に等しくなります。
下図のように、点B、Dを通る、ACに平行な直線をそれぞれ引きます。さらに
三角形ABC と 三角形ACD の高さになる直線を、点Eを通るように引き
ます。
赤色の三角形と青色の三角形は相似になり、その相似比は、3:2です。つまり、
三角形ABC と 三角形ACD の高さも、3:2になりますので、そこの2つの三
角形の面積比のも、2:3になります。
「基本を考えよう」、今回は「辺の比と面積比」でした。