今回の「基本を考えよう」は前回に引き続き「ピタゴラスの定理」
です。
「ピタゴラスの定理」とは、直角三角形において、
のことでした。
なぜ、この公式になるのか、を前回示しましたが、証明の仕方は非
常に多いので、今回も、もう一つ有名な証明の仕方を示しましょう。
まず、三角形ABCに合同な三角形を4つ数のように並べます。
四角形ADECは正方形になります。
それは、三角形すべてが合同ですから、4辺はACの長さに等しく、
角BACと角ACBの和は90度になり、4つの角が90度になる
からです。
四角形ADECの面積は、
四角形ADEC = AC × AC
です。
では、この図を下記のように形を変えてみましょう。
1.黄色の三角形を下図のように移動します。
2.次に青色の三角形を下図のように移動します。
つまり、四角形ADECは、その面積を変えずに下図のような図形に
変形することができます。
この図形の面積をどう出すか考えてみましょう。
この図形は下図のように、赤色で囲まれた正方形と、青色に囲まれた
正方形に分けることができます。
それぞれの面積はもとの三角形ABCの辺を使うと
青色の正方形 = AB × AB
赤色の正方形 = BC × BC
つまり、
四角形ADEC = 青色の正方形+赤色の正方形
AC × AC = AB×AB + BC×BC
になるわけです。
★△ 「ピタゴラスの定理」の定理を使って問題を解いてみよう △★
では、「ピタゴラスの定理」を使ってどんな問題が解けるのでしょう
か。
例えばこんな問題が解けます。
【問題】
上図は、同じ中心をもつ同心円です。青色の面積を求めなさい。
【解説・解答】
上の図のように、円の中心を点O、点OからABに垂直に交わる直線
を引き、その交点をCとします。
青色の面積を普通の方法(?)で求めてみます。
OB×OB×3.14 - OC×OC×3.14
=(OB×OB - OC×OC)×3.14
になります。
ここで「ピタゴラスの定理」を使います。
三角形OCBは直角三角形ですから、
OB×OB = OC×OC + BC×BC
になります。
この式を変形すると
BC×BC = OB×OB - OC×OC
になりますから、
青色の面積=(OB×OB - OC×OC)×3.14
=BC×BC×3.14
になり、BC=4cm ですから、
青色の面積=4×4×3.14=50.24
答 50.24cm2
以上、今回の「基本を考えよう」は「ピタゴラスの定理 その2」で
した。