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投稿日:2011年07月31日

テーマ: 算数

「ピタゴラスの定理 その2」

今回の「基本を考えよう」は前回に引き続き「ピタゴラスの定理」
です。


「ピタゴラスの定理」とは、直角三角形において、


のことでした。

なぜ、この公式になるのか、を前回示しましたが、証明の仕方は非
常に多いので、今回も、もう一つ有名な証明の仕方を示しましょう。


まず、三角形ABCに合同な三角形を4つ数のように並べます。


     四角形ADECは正方形になります。


それは、三角形すべてが合同ですから、4辺はACの長さに等しく、
角BACと角ACBの和は90度になり、4つの角が90度になる
からです。

四角形ADECの面積は、


     四角形ADEC = AC × AC

です。

では、この図を下記のように形を変えてみましょう。



1.黄色の三角形を下図のように移動します。


2.次に青色の三角形を下図のように移動します。

つまり、四角形ADECは、その面積を変えずに下図のような図形に
変形することができます。

この図形の面積をどう出すか考えてみましょう。


この図形は下図のように、赤色で囲まれた正方形と、青色に囲まれた
正方形に分けることができます。

それぞれの面積はもとの三角形ABCの辺を使うと 

     青色の正方形 = AB × AB
     赤色の正方形 = BC × BC


つまり、

     四角形ADEC = 青色の正方形+赤色の正方形

     AC × AC = AB×AB + BC×BC

になるわけです。





  ★△ 「ピタゴラスの定理」の定理を使って問題を解いてみよう △★


では、「ピタゴラスの定理」を使ってどんな問題が解けるのでしょう
か。

例えばこんな問題が解けます。



【問題】


上図は、同じ中心をもつ同心円です。青色の面積を求めなさい。



【解説・解答】


上の図のように、円の中心を点O、点OからABに垂直に交わる直線
を引き、その交点をCとします。

青色の面積を普通の方法(?)で求めてみます。

    OB×OB×3.14 - OC×OC×3.14


   =(OB×OB - OC×OC)×3.14

になります。

ここで「ピタゴラスの定理」を使います。

三角形OCBは直角三角形ですから、


    OB×OB = OC×OC + BC×BC

になります。

この式を変形すると


    BC×BC = OB×OB - OC×OC


になりますから、


    青色の面積=(OB×OB - OC×OC)×3.14


         =BC×BC×3.14

になり、BC=4cm ですから、


    青色の面積=4×4×3.14=50.24




                 答  50.24cm2



以上、今回の「基本を考えよう」は「ピタゴラスの定理 その2」で
した。