「基本を考えよう」の今回は「円の面積」です。
円周の長さはなぜ 半径×2×円周率?
円周は何故、 「半径 × 2 × 円周率」 なんでしょう?
こんな疑問を持ったことはありませんか?
ないでしょう(笑)。円周とはそういうものなのだ、と無意識に
思っていませんか?
下の図を見て下さい。
このように円に内接する正六角形を考えます。
直線AB と 弧AB はほぼ同じ長さと考えます。角AOBは60°、
三角形OABは正三角形ですから、
直線AB=半径=弧AB
になります。
弧ACは弧ABの2倍ですから
弧AC=半径×2
です。さらに、円周は 弧AC の3倍ですから、
円周=半径×2×3
になります。この”3”が円周率です。角AOBをどんどん小さく
してゆけば、この”3”は”3.14”に近くなります。
よって、
円周=半径×2×円周率
になるわけです。
円の面積はなぜ 半径×半径×円周率?
では、円の面積はどうでしょう?
面積と言うのは基本的に
面積=底辺×高さ
です。三角形は”÷2”が加わりますが、基本的には同じです。
では、なぜ円の面積は ”底辺×高さ”ではないのでしょうか?
いえいえ、実は円の面積も、”底辺×高さ” なのです。
下図を見て下さい。円がバームクーヘンやトイレットペーパーの
ように層になってると考えます。
これを黒い縦の実線のところで、切って左右に広げます。
そうすると円は、円周を底辺、半径を高さ、とする三角形になり
ます。
面積は
面積=円周×半径÷2
円周を 半径×2×円周率 とすると
面積=半径×2×円周率×半径÷2
=半径×半径×円周率
になります。
扇形も同じです。
上図のように扇形も三角形に変形し、
面積=弧×半径÷2
で求められます。弧は半径×2×円周率×中心角/360°です
から
面積=半径×2×円周率×中心角/360°×半径÷2
=半径×半径×円周率×中心角/360°
になります。
この考え方で下記の問題が解けます。
図1、図2の面積を求めなさい
■図1の面積
これは上記で見たとおり、
扇形の面積=弧×半径÷2
ですから
11×10÷2=55 答 55cm2
■図2の面積
これも同じように変形して考えます。
上図のように変形すると、台形になります。
つまり、
(6+12)×5÷2=45 答 45cm2
になります。
「基本を考えよう」今回は「円の面積」でした。