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投稿日:2011年07月07日

テーマ: 算数

「公約数」

 


今週の「基本を考えよう」は「公約数」です。


12の約数の数はいくつ?

12の約数はそれほど多くないので、書き出すことができます。

  1、2、3、4、6、12  の6個

です。

しかし、数が大きくなるととても書き出すことはできません。
皆さんがよく知ってる公式は、まず12を素因数分解して


20110707-1.JPG



このような解き方でしょう。



なぜ、この式で約数の数が出せるのか?


では、なぜ素因数分解した数の個数にそれぞれ1を足してかけると
約数の数が出てくるのでしょうか。

12の約数を例にとって考えてみましょう。


   12の素因数分解 12=2×2×3

   12の約数

     1=1×1 
     2=1×2
     3=1×3
     4=2×2
     6=2×3
     12=2×2×3

と12の約数を数の積にしてみると、12の素因数分解した数と
”1”を掛け合わせた場合の数になっていることがわかります。

さらに次のように書いてみましょう。


   12の約数

     1=1×1    → “2”を0個×”3”を0個
     2=2×1    → “2”を1個×”3”を0個
     3=1×3    → “2”を0個×”3”を1個
     4=2×2    → “2”を2個×”3”を0個
     6=2×3
→ 
“2”を1個×”3”を1個
     12=2×2×3  → “2”を2個×”3”を1個


と表すことができます。これを表にして整理すると
  

20110707-2.JPG

となります。ですから、


  12の約数の個数=(2の個数+1)×(3の個数+1)

になるわけです。



2つの数の公約数は最大公約数の約数になる


12の約数の個数=(2の個数+1)×(3の個数+1)を
つかって、次のことを考えてみましょう。


  2つの数の公約数は最大公約数の約数になる


36と24を例にとって本当にそうなるか、確かめてみましょう。

  36の約数 → 1、2、3、4、6、9、12、18、36

  24の約数 → 1、2、3、4、6、8、12、24


  36と24の最大公約数 12の約数

        → 1、2、3、4、6、12


確かに、36と24の公約数は、36と24の最大公約数、12の
約数になっています。

なぜでしょう?

上記の表を用いて考えるとよく理解できます。

36を素因数分解すると

   36=2×2×3×3 → ”2”が2個 ”3”が2個

表にすると

20110707-3.JPG




です。


同様に24を素因数分解すると

   24=2×2×2×3 → ”2”が3個 ”3”が1個

20110707-4.JPG


になります。


この二つの表を並べてみてみると、
20110707-5.JPG



36と24の表の中にはこの2数の最大公約数である 12 の
表が入っている(黄色の部分)ことがわかります。

36と24の表の共通部分が12の表になっており、これが
公約数になるため、


 36と24の公約数は、36と24の最大公約数、12の
 約数になる


のです。


「基本を考えよう」今週は「公約数」でした。