今週の「基本を考えよう」は「公約数」です。
12の約数の数はいくつ?
12の約数はそれほど多くないので、書き出すことができます。
1、2、3、4、6、12 の6個
です。
しかし、数が大きくなるととても書き出すことはできません。
皆さんがよく知ってる公式は、まず12を素因数分解して
このような解き方でしょう。
なぜ、この式で約数の数が出せるのか?
では、なぜ素因数分解した数の個数にそれぞれ1を足してかけると
約数の数が出てくるのでしょうか。
12の約数を例にとって考えてみましょう。
12の素因数分解 12=2×2×3
12の約数
1=1×1
2=1×2
3=1×3
4=2×2
6=2×3
12=2×2×3
と12の約数を数の積にしてみると、12の素因数分解した数と
”1”を掛け合わせた場合の数になっていることがわかります。
さらに次のように書いてみましょう。
12の約数
1=1×1 → “2”を0個×”3”を0個
2=2×1 → “2”を1個×”3”を0個
3=1×3 → “2”を0個×”3”を1個
4=2×2 → “2”を2個×”3”を0個
6=2×3
→ “2”を1個×”3”を1個
→ “2”を1個×”3”を1個
12=2×2×3 → “2”を2個×”3”を1個
と表すことができます。これを表にして整理すると
となります。ですから、
12の約数の個数=(2の個数+1)×(3の個数+1)
になるわけです。
2つの数の公約数は最大公約数の約数になる
12の約数の個数=(2の個数+1)×(3の個数+1)を
つかって、次のことを考えてみましょう。
2つの数の公約数は最大公約数の約数になる
36と24を例にとって本当にそうなるか、確かめてみましょう。
36の約数 → 1、2、3、4、6、9、12、18、36
24の約数 → 1、2、3、4、6、8、12、24
36と24の最大公約数 12の約数
→ 1、2、3、4、6、12
確かに、36と24の公約数は、36と24の最大公約数、12の
約数になっています。
なぜでしょう?
上記の表を用いて考えるとよく理解できます。
36を素因数分解すると
36=2×2×3×3 → ”2”が2個 ”3”が2個
表にすると
です。
同様に24を素因数分解すると
24=2×2×2×3 → ”2”が3個 ”3”が1個
になります。
この二つの表を並べてみてみると、
36と24の表の中にはこの2数の最大公約数である 12 の
表が入っている(黄色の部分)ことがわかります。
36と24の表の共通部分が12の表になっており、これが
公約数になるため、
36と24の公約数は、36と24の最大公約数、12の
約数になる
のです。
「基本を考えよう」今週は「公約数」でした。