みなさん、こんにちは。受験ドクターのNです。
今回は、「国語力を高める効果的な音読法」をお教えします。
<音読って、めんどくさい…>
「音読は大切だ」って、よく言われますよね。
これに疑いをもたれることはあまりないでしょう。
いちおう納得はするんです。
ところが、実際は、めんどくさくてなかなかやらない…。
そんなお子さんがたいへん多いのではないでしょうか。
でも、それは無理もないことのような気がするのです。
「文章を音読するといっても、かなりの量で、時間がかかる…」
「そもそも、どんな効果があるのかよくわからない…」
労力がかかって、しかも、何のためにやるのか分からないことを、
ただやれと言われても……まあ、やらないですよね。
<音読は何のために?>
ならば、音読の効果を明らかにしてしまいましょう。
私は、「音読」には主に次の3つの学習効果があると思っています。
①黙読のときに、「音読する感覚」をもてるようになる
これはどういうことかというと、
「活字をただ目で追うような読み方」をしなくなる、ということなのです。
文章内容を頭の中でしっかりと正確に意識しながら読むためには、
黙って読んでいても「頭の中で声を出すように」読む。
これが、とてもとても大切なことなのです。
精読の必須条件と言ってもよいでしょう。
そして、この「音読感覚」を養うのは、実際の「音読」なんですね。
②言葉のアウトプットの力がつく
記述の答えをつくるときに、
「んー…、これ、どんな言葉に言いかえればいいのかなぁ…」
というぐあいに、適切な言葉が浮かばずに悩んでしまう。
多くのお子さんが経験するもどかしさでしょう。
ふつうに知っているカンタンな言葉が、頭からタイムリーに出てこない。
ふだんよく見聞きしている、よく口にしている言葉なら、すぐに出ます。
「うれしい」、「かなしい」……こういう言葉は反射的にアウトプットされます。
一方、日常生活で見聞きしない、口にもしない言葉だと、どうでしょうか?
「うしろめたい」、「せつない」、「いじらしい」……
言葉を知ってはいても、このような言葉はなかなか頭から出てこない。
ふだん使っていないから、頭の中に埋もれてしまうのでしょうね。
それならば、いろいろな言葉を実際にしゃべればよい!
といっても、ただやみくもにおしゃべりしても意味はありません。
そこで求められるのが、「書き言葉」の「音読」なのです。
③正しく整った文が作れるようになる
さて、言葉がうまくアウトプットされたとしましょう。
記述の答えを作るための「適切な言い換え」ができたとしましょう。
では、それでよい答えが自動的に作れるでしょうか?
そんなことはないですよね。
ひとつひとつの言葉を「日本語として正しく」構成しなければなりません。
たとえば、いわゆる“てにをは”がおかしくなってしまうと、
減点、場合によっては意味が大きくズレてしまって×、なんてことに…。
では、正しく整った日本語表記の力は、どのように伸ばせるのか?
ズバリ、「マネする」ことです。正しく整った日本語をマネするのです。
もっとも効果的な方法は「音読」。
正しく整った日本語を「耳」で体得することです。
<何をどのように音読する?>
さあ、これだけのメリットがはっきりしました! あとは実行あるのみ。
でも、時間がかかる作業だと、やっぱりめんどくさい…。
そこで、私がオススメするのが「記述問題の模範解答」なのです。
理由は以下の2点。
①演習済みの教材を捨ててなければ、「材料はたくさんある」はず。
②模範解答であれば、少々長いものでも「1分以内で読める」。
どうでしょう、このお手軽感!
模範解答のチョイスはランダムでかまいません。なんでもいいのです。
そして、「ただ読むだけ」でよいのです。ただし、できれば「毎日」。
いちどに2~3個の音読でよいでしょう。つまり「3分以内」の作業です。
これで、さきほど説明した3つの学習効果が期待できるのです。
いかがでしょうか。今日からさっそく「模範解答の音読」。「毎日3分」。
ぜひ、お子さんにうながしてみてください。