みなさん、こんにちは。受験ドクターのNです。
今回は、「読解力があるお子さんの特徴」についてお話しします。
<国語が得意な子って?>
①字を丁寧に書く
字の書き方はさまざま。
大きな字、小さな字、角ばった字、丸まった字…
大人顔負けの達筆な字もあれば、判読困難なほどの雑な字も、見受けられます。
そんななか、決して上手ではなくても「ていねいな字」を書く子がいます。
ていねいな字は、たとえ本人が意識していないとしても、
結果的に「読み手によい印象を与える」ことになりますよね。
また、習慣的にていねいな字を書けているお子さんは、
「(文章や設問を)読むときも丁寧」になるのでしょう。読解力の高いお子さんが多いようです。
②きちんと話す
書き言葉と話し言葉は無関係ではありません。
ふだんのおしゃべりはラフであっても、あらたまった時には「きちんと話す」。
ここでいう「きちんと」というのは、かたい言葉を使うという意味ではありません。
単語で済ませるのではなく「文で話す」ということです。
「相手にきちんと伝わるかどうか意識して話す」ということです。
よく語られる例ですが、
生徒「先生…」 先生「はい、何ですか?」
生徒「宿題…」 先生「宿題がどうしたの?」
はじめから「先生、宿題を忘れてしまいました。どうすればよいでしょうか。」くらいの
話し方ができるようになるためには、特別な技術や才能は要りません。
ふだんの心がけと実践できまります。
また、単語で済ませてしまうお子さんを見ていると、「反射的に思い浮かんだ言葉」を
発してしまうことが多いようです。
きちんと話すことが実践できるようになると、
「これはどの言葉で表せばいいのかな?」と考えるようになります。
記述はもちろん、選択肢の適切さを見極める力とも大いに関係してくるわけですね。
③人の話をきちんときく
これはなにも国語に限ったことではありません。すべての基礎と言ってよいでしょう。
「人の話をきちんときく」姿勢ができているお子さんは、文章も「きちんと読む」、設問も
「きちんと読む」。自分勝手なイメージや憶測をまじえずに情報を受け止めることが
自然にできます。よって、客観性が身につくわけですね。
くりかえしますが、これは国語に限らず全ての教科、いや、学習以外のあらゆることに
おいても大切な意味をもつことでしょう。
<ふだんの生活でできることは?>
では、日常生活の中で具体的に実践できることをこれからご紹介します。
①正しい字をなぞる
字をていねいに書くといっても、「我流」のままでは、崩れた字やクセのある字はなおりません。
ここでは「活字の上からなぞって書く」練習をおすすめします。効果を高めるために、パソコンで
かんたんなシートを作ってあげてください。
「字体は教科書体(他の書体の場合、細かい部分で正しい字と異なってしまう場合があります)」
「文字の大きさは20~22ポイント」、そして、できれば、
「文字の色をグレーに」するとよいでしょう。自分の書いた字の跡がはっきり確認できます。
字の雑なお子さんに特に練習してほしいのは、実は「ひらがな・カタカナ」です。
これらが丁寧に書かれるようになれば、漢字も自ずから丁寧になっていきます。
お子さんからすれば「なんでいまさらひらがな・カタカナ…?」と抵抗を感じるでしょうが、
意義をじっくりと説明したうえで実践を促してみてください。
②記述解答例の音読と、「問い返す」働きかけ
最も簡単で確実に効果が期待できるのは「記述解答例の音読」です。
これについては前回のブログでとりあげましたので、詳しくはそちらをご参照ください。
さて、きちんと話すためには、実際の会話で常に心がけたいポイントがあります。それは
「何が?」・「何を?」・「何に?」・「なぜ?」です。お子さんが記述の解答で減点される場合、
このような疑問に答えていないことが大変多いのです。であれば、ふだんの会話において
お子さん「やっと終わったよー」 お母さん「何が?」
お子さん「お母さん、取って!」 お母さん「何を?」
などとやってみてください。むろん、親子げんかにならない程度に。
③テレビのニュースの内容を説明させてみる
実際に「話をきちんと聞いていたかどうか」を確認する場を意識的に作ってみましょう。
かんたんにできるのは、「いっしょに見ていたテレビ(ニュースがよいでしょう)で話された
内容についていくつか質問して答えさせる」というものです。テストするようなかたい雰囲気
ではなく、会話の中のゲームのような感じでやってみるとよいでしょう。
いかがでしょうか。言葉への関わり方を少し工夫してみるだけで、お子さんの国語力は
変わってくるはずです。 ぜひ、実践させてみてください。