みなさん、こんにちは。受験ドクターのNです。
「いつかなんとかなるかなと思っていたけど、
どうにもならずに、ここまできてしまった…。
もう国語(読解)は捨てるしかないかな…
いや、でもそれで合格できるほど
算理社がいいわけじゃないし…
今から何かできることは?」
日々多くの方から頂戴するご相談。受験をひかえた小6の親御様の
お悩みの多くは、このように切迫しています。
お答えしましょう。
読解の得点力を高めるために、「いまからできること」。
ズバリ、「取り組み方を変える」のです。
「えっ…??」
驚かれましたか?
「そんな…いまからじゃ間に合わないでしょう?」
と思われましたよね。はい、分かります。
でも、間に合うんですよ。
「国語がマズイ」というお子さんの多くは
能力がないのではなく、
間違ったアプローチをしているだけなのです。
そして、それを変えるために必要なのは
「正しいアプローチを実践しようとする強い意識」です。
※以下の内容の中には「読解で特に困っているのでなければ
『そんなことをしなくても大丈夫』」というものがいくつかあります。
やっていないからといって、いたずらに不安にならないでくださいね。
①黙読のときに頭の中で「音読」するようにしていますか?
走り読みをしてはいませんか?
ふだんは丁寧に読めていても、文章が長くなると「焦り」から
無意識に読みが雑になってしまうということがあり得ます。
②読むところを指でなぞるようにしていますか?
丁寧な読みをうながす動作です。私自身も実践しています。
③重要な内容(と思われる箇所)にチェックを入れながら読んでいますか?
明確な根拠のないままなんとなく線をひいてはいませんか?
これこそが、読解力や得点力を飛躍的に高める「作業」です。
ここでは詳しくは触れませんが、読解の設問が「文章の重要な部分に注目
できているか」を試すために作られているであろうことを考えると、
「読みながらにして正解を発見できるチェック」と言ってもよいでしょう。
④一定のペースで文章を読み続けることができています?
難しい言葉や内容で立ち止まってしまうことはありませんか?
読解が苦手なお子さんの多くは「走り読み(目を動かしているだけ)」を
してしまうのですが、「途中で止まる」あるいは「もどる」というのも
よろしくありません。私は「歩き続けなさい」と言っています。
⑤設問を読むときに頭の中で「音読」するようにしていますか?
文章を読むときと同様です。驚かれるかもしれませんが、「問われている
ことを正しく把握しないまま解答しようとする」お子さんは少なくありません。
⑥正解を選ぶための根拠(ヒント)を本文で確認していますか?
選択肢をいきなり読んでしまうようなことはありませんか?
「傍線部は読み直す」というお子さんは多いのですが、
それだけで済ませて選択肢を読んでしまうと、多くの場合、
「根拠不十分で悩む⇒間違える」となってしまうわけです。
選択肢で正解するための根拠(ヒント)は、傍線部から何十行も離れたところ
にあるかもしれません。それでも、読みながらのチェックが正しく出来ていれば、
しっかりとした情報検索ができるのです。
⑦選択肢を吟味するときに「意味の近さ」で判断できていますか?
「同じ言葉があるかどうか」で判断してはいませんか?
多くのお子さんが「ひっかかってしまう」理由が、これです。
目に留まった印象的なフレーズと同じ表現が選択肢に書かれてあると
「あ、書いてある」⇒「合っている」と判断してしまうのですね。
出題者の思うつぼです。
⑧抜き出しの答えを探すときに「具体的なイメージ」をもてていますか?
ひたすら探してしまうようなことはありませんか?
答えとなる言葉の意味が「プラス(○)かマイナス(×)か
どちらでもない(△)か」ということさえ意識せずに探して
しまうお子さんは珍しくありません。「こういう意味の言葉だな」
と心の中でつぶやければ、よりはやく見つけられますよね。
⑨記述の答えを消しゴムを使うことなく書けていますか?
“思いつき”で書いてはいませんか?
頭の中のぼんやりとしたイメージのまま見切り発車で書くと、
途中でいろいろな不備に気づいて、そのたびに消しては書き
消しては書き…となってしまいます。
⑩時間配分の大まかなイメージを持てていますか?
もうひとつの大問に移るときに適切な時間を確保できていますか?
たとえば「試験時間50分・説明文と物語文と知識・分量はだいたい
同じくらい」だとすれば、文章題にかける時間をそれぞれ22~23分
に設定するという具合です。この感覚がないと、「さあもうひとつの
文章題…あ、あと10分しかない…!」なんてことに。
いかがでしょうか。
親御様の目からすれば「単純なこと」ですよね?
でも、国語で困っているお子さんの多くは、そんな単純なことでつまずいているのです。
上記の10項目の実践に時間はかかりません。
必要なのは、あくまでも
「正しいアプローチを実践しようとする強い意識」です。