春期講習も終わり、新学年もスタートして、ようやく落ち着いた感じがあります。
もちろん仕事量が減ることはなく、相変わらず忙しいのですが、新しい職場に慣れてきたのか少し精神的なゆとりが出てきました。
そこで後ればせながら、今年度の入試を簡単に振り返りたいと思います。
今年も、まさに「激戦」でした。世間では、中学受験者が減少→易化などといわれていますが、数字では真実はつかめません。第一、昨今の中学受験ブームで、塾通いが当たり前になり、場合によっては、低学年から計画的に学習してきた強者もいて、受験者のレベルは相当高くなっています。Sの合格実績の良さばかり取り上げられていますが、正直、他塾の生徒にも優秀な生徒は多かったし、楽勝で合格できたと実感できた生徒はSのα1も含め一人もいませんでした。
結果的に、難関校を全勝したお子様のお母さまでさえ、合格発表の前日には、一睡もできなかったそうです。それに、入試問題の精度がかなり良くなって、テクニックでは通用しない、かといって下手に難しすぎず、しっかりと受験者の学力を試す良問が増えてきました。学校の偏差値レベル関係なく、いい問題を作る学校が増えてきたのです。そんなある意味、「成熟」しつつある中学受験の問題に対して、受験者の学力レベルも高くなっている中で、合格を勝ち取るのは並大抵のことではありません。
さらに、うれしいことに国語の入試問題のレベルが高くなってきました。
男子の御三家K中、女子御三家O、付属中W(他大学受験者も多い学校)の問題も、かなり高度であり、KやOは国語で合否が決まったのではないかといわれるほどです。
今までは、算数をしっかりやれば・・・など算数がとかく中心でしたが、昨今の読解力低下を憂う世相を反映してか、国語に力を入れる学校が増えてきたのは、国語の講師としてうれしい限りです。
もちろん以前から国語に力をいれてきた学校もありますが、残念ながら少数派でしたし、相談される科目も算数が圧倒的に多かったので、国語の講師としては肩身の狭い思いをしていました。(笑)
でも、実は国語は本当の頭の良さが露骨に出る科目なのです。
私は、Sで社員として(今のSの社長や役員クラスの人たちの隣で、ひっそりと(笑)授業をしてきたこともあります。)働いていましたので、当時の桜蔭や開成、、麻布を目指す生徒の授業を持つことも多々ありました。その授業の中で感じたことは、本当に頭がよい生徒は国語力も優れていて、そんな生徒に記述させると、大人にも見せたいくらいの素晴らしい文章を書くのです。ときには、模範解答より優れた文章を書きます。そして、意見作文では、実に鋭く、意見も単なる批判でなく、将来、自分がどうなりたいのか、そして社会にどう貢献していきたいかなどと書いてくる。もちろん、先生受けを狙ったものもありますが、そんな文章はすぐ見抜けます。そうではない、本当にそう思っているんだなあということが伝わってくる文章を書いてくるのです。だから、礼儀正しく、人格的にも素晴らしい生徒が多かった。
(この点も、とくに出身大学などを自慢ばかりしている先生に見せたかったです。(笑))
逆に、算数だけ成績がよい子は成績が不安定で、頭が固いので、応用が利かないことが多かったような気がします。しかし、プライドだけは高い。(苦笑)
やはり、人間バランスが大切なのです。
でも、私からすれば、算数ができる子はうらやましいですね(笑)図形やパズル、規則性などは好きなのですが、計算がめんどくさい(笑)、公式もつまらない・・・・・・。
さて、文章が長くなりすぎたので、今日はここまでにしておきます。
次回は、受験の現場の話を少し、お話したいと思います。