先週の続きです。
読むのが遅い、解き終わらないという難題に対し、どのような対策をすればいいのか?
もちろん、一文を正しく読めることは大前提です。これができないと、雑な読み取りななってしまうからです。そのうえで考えていきます。
まず、なぜ文章が早く読めるのかを考えましょう。
私も結構早く読むほうですが、大概一つ一つ丁寧に読んではいません。
例えば、ビジネス書、自己啓発本(説明的文章)であれば、まず目次を読み、自分が知りたい情報があるかどうかを確認したうえで購入し、共感できる部分などに線を引きながら読みます。
要は、自分の知りたい情報をあらかじめ決めておき、それをもとに文章を読むと早く読むことができるのです。
では、中学入試において受験生が知りたい情報ってなんでしょうか。
簡単ですよね。問題の答えになる部分です。(笑)
でも、問題の答えになる部分ってどうやって探せばよいのでしょうね?
その答えは、設問作成者に聞いてみれば早いのですが、まず教えてくれませんね(笑)
仕方ない。自力で考えるしかないですね。
というわけで、自分も十年前からずっと考えてきました。(誰も教えてくれないし、十年くらい前は国語の問題集とか、参考書なんてほとんどなかったですからね。テクニック本はありましたけど、小手先で誤魔化したくなかったので。)
なので、入試問題や大学受験の問題集や参考書を解いたり、読んだりしながら必死で考えました。
そこで見えてきたものがあります。
まず本文中に手掛かりがあるものが、答えとなること。これは、いまでこそ当たり前のことですが、一昔前は、誰もこんなことは言っていませんでしたので、Sでは異端児的存在でした。
次に、文学的文章、説明的文章とジャンルごとに問われる内容に、ある法則があることに気付きました。
例えば、文学的文章なら心情の変化、説明的文章なら筆者の考え、言いたいことという風に。
ではこれらを見つけるためにどうすればよいか。
例えば心情なら、動作、セリフ、表情で表現される、それも出来事と絡めて因果関係(出来事→理由、心情→結果)で読んでおくと分かりやすい。
あと人物関係や、家庭環境などが心情に影響を与えることが多いので、それも押さえておく。
さらに形式段落、場面というかたまりごとに文章を読めば、より情報が整理されて分かりやすくなるということがわかりました。
これらのことが分かった時、とても嬉しかったです。
Sで学校別テストなどを作成していたことも、今思えば、大きかったですね。だって、自分が設問作成者なのですから。
でも、これらのことって、今は市販の参考書や問題集に載っていますよね。(哀)
しかし、どうやってそれを生徒に伝え、生徒がそれらのことを意識して読めるようにしていくか?っていうのは、やはり、講師の力量次第です。どんなにテキストが良くても、設備が整っていても、受験情報がたくさんあっても、カリキュラムが良くても、生徒の学力を伸ばす決定打にはならない。やはり、「人」です。(昨日、このSに関する衝撃的な事件があったので、このことを実感しています。)
話はちょっと脱線しました。すいません(笑)
「僕のわるいくせ」(水谷豊さん風に)
ところが、これだけでは「正確に、早く」は解けません。
設問文の読解を正しく行わないと、正解できないのですから。次回は、この点について述べていこうと思っています。