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投稿日:2010年06月19日

テーマ: 国語 / 日記

テレビで感じたこと~つれづれなるままに~

今、私がはまっているテレビ番組に「ハーバード白熱教室」というものがあります。

テーマは「政治哲学」で、これを現代の問題点と絡ませながら、さまざまな視点で論じ合い、結論を導いていくという内容です。内容も面白いのですが、とにかくここにでてくる教授の導き方、解説の仕方が絶品で、とても勉強になります。大勢の聴講生は前に、ほとんどテキストを見ないで、分かりやすく、ユーモアを交えながら説明していく。さらに、論じ合うときに、決して相手の考えを全否定しないで、その矛盾点をまた、聴講生に問いかけ、考えさせる。そして、意見の方向性をうまく誘導していく。この方法だと、なぜそうなるのか納得ができるので、理解も深まる。さらに、この議題に対しても自分の問題のように真剣に考えられるから、議論も白熱する。

まさに、理想的な教授法です。私自身も、テレビの前で一聴講生として真剣にいろいろ考えています。(はたから見ると不気味でしょうが(笑))

そしてなにより楽しい。考えることで、いろいろな考えがわかるようになり、ますますそれについて考えたくなる。現に、私はこの番組に触発されて、さっそく哲学者のゲーテの本を買いました。(もちろん、入門編的な軽い本から始めましたけど。)

この番組は、私の塾講師の原点を思い出させてくれました。

私が塾講師を自分の職業としていこうと決意したのは、もともと教育というものに興味があったからです。実際に教員免許を持っているのも、そういう方向で自分の進路を考えていたからです。

しかし、教育実習でいろいろ思うことがあり、教員の道ではなく、塾講師を職業として考えるようになりました。そして、様々な生徒にふれあううちに、この職業の魅力に取りつかれ、現在に至っています。

私が、この仕事をやっていて楽しい瞬間は、生徒が「あ、そうか」と言って自分で答えを見つけ、充実した顔を見せた時や、「先生の授業ってあっという間だね。」と生徒に言われた時です。

結局、勉強は自分でするもの。だけど、考え方は自分ではなかなか分からない。だから、生徒に教える。だけど、教えただけではすぐ忘れるし、身に付かない。だから、生徒に考えさせる。そして私の教える考え方に納得してもらい、そのうえで演習を通して、体で覚えさせる。それを繰り返すことで、今度は自分の力で考えるようになる。そうすると、様々な発見をする。また、考えるのが楽しくなるし、自分が賢くなったような気がして自信につながる。このような指導を心掛けているのも、生徒に、考える、学ぶことの喜びを知ってほしいから。塾講師とはいえ、私も学問を探求する者。ならば、学問の面白さを生徒に教えるのが務めだと思うし、そうでなければ、私の存在意義がない。

中学受験をきっかけに、このようなことに気付いてほしい。

本当の勉強は、覚えてことすべて忘れたとしても、心の中に残っているものだと誰かに教わりましたが、私もそう思います。

そして、誰かと競って勝つという狭い考え方ではなく、休みたい、遊びたい、楽したいという弱い自分に勝つことの難しさ、そして勝った時の喜びを感じてほしいと思います。

長い人生、勝ち続けることなんて、無理です。それは、歴史が証明しています。

あの大企業の航空会社だって、倒産してしまうんですから。

戦国武将だって勝ち続けていたわけではない。天下を統一した豊臣秀吉、徳川家康だって戦に負けている。でも、努力して勝ち取ったものは永遠に自分の心の中に「誇り」として残ります。

私が、かつていた塾で、後輩たちを激励にきてくれた生徒がたくさんいたのですが、その生徒の中には第一志望が残念な結果になった生徒も少なからずいました。でも、自分の進学した学校名を後輩たちの前で堂々と述べて、自分たちの勉強方法や、後悔したこと、自分たちの学校の良さなどをちゃっかりアピールしている姿を見て、本当に感動しました。自分達の結果をしっかり受け止め、いままで頑張った自分に誇りを持っている。感慨深いものがありましたね。

そんなとき、この仕事を選んで、よかったなと思います。

長い文になりましが、日々こんなことも感じながら、今授業しています。

しかし、生徒はそんなわたしの思いに気付いてくれません。完全な片思いです。(泣)

いつになったら、気づいてくれるのかなあ~。無理かな~(笑)