今年度も厳しい入試になりました。
毎年、この学校の志望者を指導していて思うのですが、本当に国語で決まる学校だなあと思います。
ほかの女子御三家、豊島岡、学習院女子、立教女学院、鷗友学園女子などもそうですが、国語の力がないとなかなか合格できなそうな学校が多くなっています。
今年の開成も国語の合格者平均が50点台→35点と大幅にダウン。
去年の開成の入試傾向から、国語の問題の質が変わっていたので、難化するのは予想していましたが、これほど平均点が下がるとは思いませんでした。
したがって、算数でどれだけ点数を稼いだかがポイントになったのではないかと思います。
現に、算数指導に力を入れている塾が開成の実績を伸ばしています。
しかしこの傾向が続けば、やはり国語の力がないと合格が難しくなります。
麻布や筑駒はもともと国語の力も求められる学校なので、総じて難関校、最難関校志望者は国語の対策が必要不可欠になるでしょう。
ところが、この「国語」という科目。最近、テクニック論が多くなり、わずかな時間で効果がしっかりでるという、速効性を売りにした塾や本が巷に溢れています。
しかし、確かにある程度のテクニックは必要ですが、それだけでは太刀打ちできない問題も多くなっているし、とくに記述問題はこのような方法ですぐ上達できるほど、甘くはありませんから、それ以外のこともしっかり教えていかなければなりません。それに、せっかく国語を勉強するのでうから、そのような「浅い」勉強ではなく、その題材を通して、大人の価値観、モラルを学んだり、自分の考えを深め、他者の考えや気持ち(心理パターン)を知る、また設問を通して論理的思考を身につけるなど、「深い」勉強をした方が生徒の将来を考えてもいいのではないかと思います。
これらのことは、決して短時間で教えられるものではないし、やはり「積み重ね」がものをいいます。実際、私もこのことを意識して指導しています。
もちろんテクニカルなことも、しっかり教えていますけど。(笑)
さて、本題に戻りますが、今年、私がお預かりした桜蔭中志望者の合格率は66パーセント程度、5か月以上指導に携わった生徒に限れば、100パーセントでした。
もちろん、大手塾のトップコースの生徒さんでしたから、なんとか間に合ったというのが本音です。実際、9月の学校別テストでは、50前半の偏差値でしたから、余裕を持って受験指導してきたわけではありません。
特に手を焼いたのが、記述問題。それも、桜蔭中レベルの記述問題は相当手こずりました。過去問をやらせても、合格した生徒たちでさえ、自信を失っていくのがよくわかりました。言いかえれば、大手塾の記述指導では、この生徒たちの記述力を伸ばすことは難しかったということです。
ですから桜蔭中志望の生徒さんは、なるべく早く国語、とくに記述対策をしっかり行って下さい。
私が預かったこの生徒さんたちも、大手塾の偏差値では余裕で60~65くらいはとれていたのですから。
それでも、なかなか太刀打ちできないのが桜蔭中の国語の記述なのです。
その点を踏まえ、次回、今年度の桜蔭中の問題のポイントを解説していきます。