最近、男女御三家志望の生徒の記述指導をしていて思うのですが、解く前に設問文の意味や設問条件を踏まえて解答の方向性を出してから考えるという、基本的な手順を無視して解答を書いている生徒があまりにも多いのです。結果として解答の精度が下がり、△か×しかない答案が続出します。解説の時に添削がてら、本人に注意して修正を促すのですが、次の問題を解く時はすっかり忘れて、また同じ過ちを繰り返すのです。(泣)
実は、このようなタイプの生徒は算数が得意な生徒に多く、また塾の国語のテストもそれなりに数値(偏差値)が取れてしまうので、なかなか反省しません(笑)。記述が多いサピックスのテストでも同様です。
現に、私の教え子(ドクターで3ヶ月以上通っている生徒)のサピックス生は偏差値60を連発しています。
でもドクターの授業では、解答にさんざん赤入れされて、たくさん突っ込まれ、駄目だしされています。(笑)
なぜこのようなことが起こるのでしょう。
たぶん、それは「算数頭」で考えているのでしょう。
算数は、文章題から必要な条件を読み取り、いろいろ整理しながら考えていく作業が求められますが、これと同じように国語の文章題を考えてはいけないのです。
国語は、設問の意味や条件を読み取ったら、傍線部の意味を理解したうえで、解答の手掛かりを文章から探していかなければならないのです。つまり、あれこれ考える前に文章に戻ることが大切なんです。
この思考の切り替えが、算数が得意な生徒はなかなかできないのです。
得てして、こういうタイプは計算ミスや読み取りミス(単純ミス)も多いですけれどね。(笑)
理由は同じ。頭の中で考えてしまうからです。これについての対処法は海田先生のブログを参考に。
頭の中で考えたものが外れなければ、記述でも部分点はもらえます。
しかし、入試は減点方式(特に御三家)なので、点数をそれ以上稼ぐことはできず、合格ラインぎりぎりで争った場合、負けてしまう可能性が高いでしょう。
だからこそ、記述問題の場合、解答の精度を上げる訓練が必要なのです。
論理的思考力を磨くことにもつながるので、将来にも役立ちますしね。(笑)
しかし、ただ注意するだけでは直りません。まして解いた後に注意しても、本人は、「あー」というだけで、改善するまでにいたりません。解くときに、本人に気付かせ、設問文に線を引くなどの作業をさせる必要があるのです。鮮度が命です。(笑)
そういうわけで、今日も生徒と戦っています。(笑)