最近、大手塾からドクターに移ってきた数人の生徒から国語の授業の様子を聞く機会が多いのですが、正直あせります。なぜかというと、傍線部の前後だけを読むとか、本文をあまり見ずに先に選択肢を見て解答を選ぶといった間違った消去法の使い方など、いわゆる解法テクニックを指導していたり、、文章を何度も読む方法→長文が出たら全く歯が立たないやり方を取り入れるなど、一部の国語の入試問題しか通用しないような指導方法が相変わらず幅を利かせているからです。また一方では、教材内容を理解させる授業を展開し、その場限りの解説で理解させ、論理的な手順を学ばせていない講師も多いようです。これでは、いつまでたっても文章のパターン化や論理的思考で解答を導くという手順が身につかず、国語の成績は、文章の難易度に左右されて上下を繰り返し、やがて下降線をたどるという最悪の結果を招くことになります。
よく保護者の方の話を聞いても、「国語は後回しにしてとにかく算数を」というご家庭が多いのですが、それでは間に合いません。そもそも算数だって国語力は求められるのです。文章題の読み取りなんかは、まさにそう。
国語は0点を取ることがないし、解説を読めばわかるような気がするし、たまにいい成績をとってくるから大丈夫だと思っているご家庭も少なくありません。しかし、私から言わせれば、このような状態はもはや「赤信号」なのです。たまにしかいい成績をとれないのは、力がないからで、たまたまいい成績がとれたのは、文章内容がたまたま理解できたからです。この状態で、入試問題が解けるわけがありません。少なくとも、中学入試に出題される題材は、普通の小学生では理解できないものが多いのです。なにせ、大人の考えを読み取らせるのですから。
まして、難関校の問題に対応できるはずがありません。難関校の題材をよく見てください。
大人向けの文章がたくさん出題されています。まして、主題や要旨などの読み取りも出題されるのです。
要旨はともかく、主題の読み取りは大人でも難しいです。なぜなら、中学受験特有の読み取り方があるのですから。(これこそ、テクニックなのです。(ドヤ顔)(笑))
昨年も、駆け込みで国語の指導を頼まれることがありましたが、よほどのことでない限り成功するのは難しい。
なぜなら、今までの考え方を全部やめてもらい、次に文章の読み取り方をマスターしてもらいながら、論理的思考で考える習慣を身に着けさせていく。さらに記述力も、語彙力も・・・・・なんてことが2,3カ月でできるはずがないのです。うまくいくのは、ある程度国語の力が備わっている生徒のみです。
まして、記述力は短期間で身に付きません。御三家レベルはなおさらです。
最近、大手塾を中心に算数を重視した指導が目立ちますが、国語講師としては危機感を覚えます。
いつか申し上げたように、関東は国語の問題もかなり難化しているのです。
それは、最近の入試問題を見ても明らかです。(特に、女子御三家、難関校、男子御三家、難関校)
短期間でどうにかなる科目ではないので、早めに対策をとることが大切です。
もう一度、冷静になってお子様の国語の実力を見つめてください。せっかく時間があるのですから・・・。