さて、続きです。
サピックスのBテキストは長文なので、読む前に何に気を付けて読むかを意識していないと、内容が漠然として、読んでいても理解不能に陥りやすいです。
意識すべきことは以下の通りです。
物語文・・・文章のはじめで物語の設定を押さえる。
(人物関係、家庭環境、今までにあった過去の出来事など)
真ん中~終わりにかけては、一番盛り上がった大きな事件の内容と中心人物たちの心情表現をつかみながら、結末を押さえる。
論説文・・・ずるいやり方だが、題名を見る。そうすると、話題や話の展開が読み取りやすい。
具体例と筆者の考えやまとめの文を分けながら、段落ごとに要点をつかみ、筆者の言いたいことをつかんでいく。そして最後の段落で言いたいことをまとめる場合が多いので、その段落はしっかりと読む。
という感じでしょうか。
もっと細かいところまで授業では指示していますが、大体このようなことをおさえるのが基本でしょう。
あとは、設問の意味を理解し、傍線部の意味を正確につかみながら,心情表現+出来事やキーワードと似た言葉を探すなど、根拠探しをしていきます。
復習では、答えまでの道筋(論理展開)をノートに書いてみましょう。(わからない場合、先生に聞いてみましょう。)このやり方は、私が4年ぐらい前から教え子たちに教えていた家庭学習のやり方です。今もドクター生には、このやり方で復習するように指示しています。
これをやることで、論理的思考力が身につくのです。要は、家でもう一度、私が教えた考え方の手順をたどってもらい、思考の訓練をするのです。
続いて予習シリーズですが、演習問題集基本⇒予習シリーズ基本⇒発展⇒演習問題集の順で難易度は上がっていきます。
予習シリーズ本体までは、傍線部の近くに解答の手掛かり(もしくは解答そのもの)があるので、サピックスのところで説明したように、文章の読み方を意識しながら、傍線部近辺は特に注意して読んでいくと、設問に答えやすくなります。演習問題集でも基本は同じですが、解答は傍線部近辺にないことも多いので、設問文の読解を正確に行い、キーワードをしっかりつかんでから解答を探すと、解きやすくなります。
中堅校~中堅上位レベルなら、予習シリーズの発展までしっかりやればよいでしょう。
ただ、上位~難関レベル(偏差60くらい)なら最低でも演習問題集レベルはクリアできるようにしましょう。
最難関は、それ以上のもの、例えば、長文読解や記述のテキストをガンガンやっていく必要があるでしょう。
遅くても、御三家志望者(女子学院は除く。)や学習院女子、鴎友、栄光、聖光、フェリスなどの志望者は6年生の7月までに、このようなタイプのテキストに取り組んでいかないと過去問を解くときに大変な思いをするでしょう。9月ではやや遅いと思います。(もちろん、個人差があります。)
ちなみに文章を三回読む、音読などは文章があまり読み取れない生徒が行うもので、少なくとも偏差が40後半以上なら、黙読プラス通読一回でしっかり読み取る練習をした方が効果的でしょう。なぜなら、入試では音読はできませんし、三回読むほど時間的余裕はありません。
実践を意識した練習をすることが大切です。練習のための練習は意味がありません。
参考になれば、幸いです。
次回は、日能研です。