ある5年生のサピックスに通っている生徒との会話です。
生徒「先生、今回のマンスリー、よくできたよ。」
私「よかったじゃん。どんな題材が出たの?」
生徒「〇〇〇」
私「俺の予想が当たったね。言った通りの問題がでただろ?」
生徒「うん。先生がサピの先生に情報をもらったんではないかとお母さんと話していたんだ。」
私「そんなわけないだろう。それどころか、サピックス時代でも出題者に聞いたことなんかないよ。」
生徒「じゃ、なんで当たったの?」
私「毎年のように、学校別テストやマンスリー、組分けテストを作っていたから、設問者が聞きたいポイントはわかるんだよ。」
生徒「へぇ~」
私「すごいだろう。」
生徒「・・・・・・・・」
こんな感じで会話は終わりました。(笑)
ちなみに、この生徒の国語の偏差値は60を超えました。(笑)
冗談はこれくらいにして、少し真面目な話をすると、実際に受験生が受けるテスト問題を作ったことがあると、だいたい設問者がどういうところを問題にしたいのかがわかるのです。
ではどのようにテスト作成をしていたかというと、私の場合は題材選びから始めていました。
また公(塾のテストとして出題し、さらにお金を取る)のテストですと平均点も予想してどれぐらいで抑えるとか、記述問題と選択肢問題のバランスはどうするとか、難易度をどうするとか、この時期のこの学年ならこれを聞きたいとか、基礎的なコースの生徒も点数をとれるようにするとか、様々な制約の中でテストを作成しなければならないので、学校の入試問題も含め、様々なテストを研究し、テストの作り方を勉強していました。
正直、自分のテスト作成能力は高いとは思いませんが、それでも分析能力はかなり鍛えられたと思います。
もちろん、それは自分の指導にも生きています。
学校別ドクターを執筆するときも、その能力を活用しました。(笑)
さらに、その能力を使って日能研のセンター模試や四谷大塚の組分けテスト、合不合なども分析しています。
もちろん、100パーセント正解するわけではないし、教えたところで、生徒が活用できなければ意味がないですが、少なくとも設問者側からの視点を教えることで、生徒の問題に対する意識も変わってくるのではないかと思います。
そして、この能力はアルバイトで講師をしていたならば身につかなかった能力でもあります。
社員として、この業界で生きていこうと腹を決めて頑張ってきたから、身についてスキルでしょう。
塾に就職するなんて・・・と後ろ指を指され、学生のアルバイト講師にすら冷やかな目で見られていたこともありますが、どの業界も腰かけで仕事をしていたら、本物のプロにはなれません。
最近、それを実感しています。