メニュー

投稿日:2016年06月09日

テーマ: 算数

誰でも使える図形問題の裏ワザ

算数科の大木快です!

6月のイメージ…カタツムリとアジサイが定番ですね。

アジサイ

アジサイの花びらのように見えているところは、実は「がく」です。花びらはありません!

真ん中のところに小さな花があります。気をつけて観察してみてください。

 

我が家のアジサイは、以前に間違って冬に剪定したことがあり、なんとその夏は全く花が一つも咲きませんでした。調べてみると、花芽になるところを全部切ってしまっていたみたいで…。今年は大丈夫そうです。大きなつぼみをつけて今にも咲きそうです。

 

ところで、「裏ワザ」っていう言葉、すっかり一般的に使われていますね。いつごろからあるんでしょうか。

 

ウィキペディアには、こうあります。

 

「裏技(うらわざ)とは、取扱説明書(解説書)といった公式文書で発表されていない方法、あるいは技術を指す俗語。主にコンピュータゲームにおいて、実行すると特異な現象を引き起こすテクニックのこと。もしくは、余り知られていないが、知っていると生活上便利な知恵などのこと」

 

じゃあ受験テクニックとして紹介する裏ワザとは…?

 

「教科書や参考書に載っていない方法のこと。あまり知られていないが、知っていると便利な方法のこと」

多くの人は普通のやり方で解いているところを、自分だけ違うやり方、で人より早く解ければ、痛快ですね。

 

「破壊力があり、一度使ったらやめられない方法」

子どもが喜びそうです。

 

「ただし、使える場面に制限がある」

これもまた魅力と言っていいのでは?

 

今回紹介する裏ワザは、「均等切りの面積比」です。

 

初めに、相似な三角形の面積比をおさらいします。

図のように、五つの相似な三角形があります。

2

1辺の長さが1:2:3:4:5の相似な三角形は、

底辺、高さがそれぞれに1:2:3:4:5になっていますから、

五つの三角形の面積比は、

1×1:2×2:3×3:4×4:5×5

=1:4:9:16:25

となります。

3

では、次の図形のア、イ、ウ、エ、オの

面積比はどうでしょうか。

4

イ、ウ、エ、オは先に示した相似な五つの三角形のうち、

隣り合う三角形の差になっていることがわかりますね。

ア=1として、先に求めた面積比1,4,9,16,25の差をそれぞれとると、

イ… 4-1=3

ウ… 9-4=5

エ… 16-9=7

オ…25-16=9

 

5

 

何と、奇数が並んでいるじゃありませんか!

何も考えなくていいんですか?

 

…いいんです!「平方数の差=奇数」は一般に成り立つので、この先は11,13,15…とどこまでも奇数が続くんです。覚えやすくて便利ですね!

ここで、この1,3,5,…と続く数字を

均等切りの面積比

と呼ぶことにします。

どんな問題に応用できるか、一緒に見てみましょう。

6

 

ふつうはこうなります。

 

三つの三角形ア、アイ、アイウの相似比は5:9:12
→面積比は5×5:9×9:12×12=25:81:144
よって、イは81-25=56、ウは144-81=63となり、
イ:ウ=56:63=8:9 (答え)

 

ではここで裏ワザです。

均等切りの面積比を使うとどうなるか…

 

 

 

①高さの比に応じて、等間隔に分割する。

(赤線部分を引く)

7

 

②上から順に、1,3,5…と奇数を書き込む。

8

 

どうでしょうか…

すでに答えが出ていますね!

一応足し算して…

イ:ウ=(11+13+15+17):(19+21+23)=56:63=8:9 (答え)

となりました。

 

さて、今回のまとめです。

 

均等切りの面積比

三角形を均等な幅に刻むと、面積は1,3,5,7…とあらわすことができる。
均等でない分割も、均等に刻み直すことで、均等切りの形に持ち込むことができる。

9

 

 

どうでしたか。同じ面積比の考え方でも、目先を変えただけで、作業が楽しくなりそうですね。この「奇数を書くだけで、勝手に答えが出てしまう」ところが、裏ワザの醍醐味。

 

次回はどんな裏ワザが出てくるか、お楽しみに!

 

算数ドクター