算数・理科担当の大木快です。
寒いですね。去年もこんなに寒かったっけ?と毎年思う、寒さに弱い大木。
カレンダーを見ると、2月だけ異常に短い…
算数で、日暦算(にちれきざん)という、暦に関する問題があります。暦算(こよみざん)とも言います。典型的なのがこのような問題:
例題
2月1日は〔 〕曜日です。
そもそも、
なぜ7日を1週間と決めたのでしょう。
なぜ1年は12か月なのでしょう。
…暦に関する疑問は尽きませんね。いったい誰がどうやって決めたのか。疑問に思うことなく、これまで過ごしてきました。
そこで今回は、日暦算の前提をなす
「なぜ31日の月と、30日の月があるのか」
について、考えてみたいと思います。
現在私たちが用いている暦はグレゴリオ暦といいますが、その原型となるユリウス暦は古代ローマの政治家ユリウス・カエサルによって作られました。
ユリウス暦の画期的だった点は、暦と季節がほぼ一致したことでした。
季節と暦が一致していることは、農業においてきわめて重要なのです。種をまく時期を間違えて収穫に失敗するということは、そのまま民族の滅亡を意味していたからです。。
ところでユリウス・カエサルに由来(ゆらい)する月の名をご存知でしょうか。
ユリウスが生まれた月にちなんでつけられた月の名が、英語表記のJuly(7月)というわけなのです。すごいですね、権力というものは。月の名まで決めてしまうのです。
カエサルが暗殺された後、権力を掌握して初代皇帝となったのがアウグストゥスです。そしてアウグストゥスは8月に自分の名前を付けました。
英語のAugustがこれです。
さらに! 7月より1日短いから、と8月を30日から31日に増やし、残った月の大小を入れ替えました。増やした1日は、もともと1年の最後であった2月から、1日持ってきちゃえ、という具合に移動したわけです。かくして、2月は28日という何とも不規則な日数となったのでした。
権力者の暴挙で民が振り回される例は、歴史においても、現代社会においても枚挙に暇がありませんが、月に自分の名前を付けるって、(自分でつけたかどうかは謎ですが)気恥ずかしい気がするのですが…どうなんでしょうね。
さて、ユリウス暦ですが、
作られた当時はこうでした。(うるう年は2月を30日としました)
長い月と短い月が規則正しく並んでいる!こっちのほうがいい、という声が全国の小学生から聞こえてきそうです。
最後の2月も29日なら許せますね。
それがこうです。(うるう年は2月を29日とします)つまり現在私たちが用いているカレンダーそのもの。
トホホ…
この不規則な月の長さ、小学生の皆さんの認知度は、大体こんな感じです。
①西向く士(さむらい)で覚えている … 50%
②握りこぶしを用いた方法 … 25%
③知らない … 25%
大人は… 私は①で覚えました。皆さんはいかがですか。
②の方法は、手を使えばよいので非常にシンプルで覚えやすいと感じます。
日暦算を始めるにあたっては、まずここは暗記が必要ですので、いずれかの方法で覚えてしまいましょう。
今回はカレンダーの成り立ちに関するエピソードをお届けしました。
次回をどうぞお楽しみに。