皆様こんにちは。大木快です。
2つの量を求める問題と言えば、何算が浮かびますか。
つるかめ算、和差算、消去算などいろいろありますが、…
なかでもつるかめ算は、代表選手と言えるでしょう。
ところでこのつるかめ算、皆様のお子様はどちらで解きますか?
①式で解く
②面積図で解く
実はきわめて多くの皆さんが ②面積図と答えます。今や面積図がつるかめ算のスタンダードなのです。面積図で教わっているから、というのが実際の一番の理由と言えるでしょう。
それぞれの長所を考えてみましょう。
①式で解く
・早い
・弁償算でも使える
本当は、なくて済む図なら、書かない方がよいです。
②面積図で解く
・書くべき形が決まっているので、基本的に毎回同じことをやればよい。
・量が視覚化されて分かりやすい。
・メカニカルに答えが出てくる感じが心地よい。
こうして色々考えると、実際に面積図がお子様たちから支持されているのもうなずけます。
さて、今回はつるかめ算でおなじみの「面積図」を用いて、弁償算を解いてみます。
人気の面積図も、「こわすと罰金」の弁償算型になると使用頻度はほぼゼロになります。
実は、ひと手間かければ、つるかめ算と同様に心地よく解けるのです。
面積図で解くのが好きで、使いこなしたい人にはおすすめです。
ある商品を120個運びます。無事に運ぶと1個につき30円もらえますが、こわしてしまうと1個につき100円罰金が科されます。
受け取った金額が2430円でした。壊した商品は( )個です。
面積図をかく手順を示します。
①30円×無事運んだ個数 を長方形で表す。
②つぎに、100円×壊した個数 を表す長方形を、最初の長方形より下にかく。
→罰金のマイナスを表すためです。
③合計=120個をかき入れる。 二つの長方形をア、イとする。
ここまでで表したことは、
ア=無事運んだ品物の賃金
イ=罰金
ですから、最終的にもらった金額は
ア-イ=2430円 ですね。これをひと手間加えて言い換えますよ。
④図の位置に長方形ウを書き加える。
アとイの差を、
アウ と ウイ の差と考えます。式にすると、
右辺の アウ ー ウイ
は、無事に120個運んだ時の賃金(アウ)から、壊したことによって、もらうはずだったウを失って、さらにイの罰金が科せられていることが、図から読み取れたでしょうか。
ア-イ=2430円でしたから、
アウ-ウイ=2430円、となります。
ところで図から、アウ=30×120=3600円 とわかりますね。
したがって、
3600-ウイ=2430
ウイ=3600-2430=1170円
がわかりました。
ここで図をもう一度見てください。
長方形ウイの縦の長さは、130円ですから、
横の長さ=1170÷130=9個
以上が面積図による解法です。
覚えるべきポイントは以下の2点。シンプルです。
② 長方形ウを書き加える
つるかめ算で面積図が使いこなせる、弁償算でも使ってみたいという人は、このポイントを覚えてしまえば、つるかめ算と同じようにメカニカルに処理することができるようになります。
またお会いしましょう。