スポーツの秋がやってきました。今日も父と息子で盛り上がっているようです。
父:今日は「的あてゲーム」をやるぞ!
太郎:的あてゲーム?!
ああ、的にボールを投げるんだね。おれノーコンだけど大丈夫かなあ。
父:いいか、的に書いてある数字が得点だからな。5球の合計点で勝負だぞ。
太郎:うん。じゃあ行くね
5球投げたよ。
父:合計点は?
太郎:7,7,13,1,1で、えーっと、29点。
父:最後の2球はどうしたの?
太郎:つい力んじゃって。力むとコントロールが乱れるのは、まだ未熟な証拠だね。じゃあ次は父ちゃんの番だ。
13,7,13,7,…最後は、おおっ!!19に命中だ。合計59点!すごい!
父:じゃあ運動ついでに頭のトレーニング行ってみよう。
太郎:そう来ましたか。
父:体も温まってきたしな。次の例題を見てごらん。
太郎君が図のような的を使ってボールを投げるゲームをしました。
小円の内側に当たると19点、中円と小円の間は13点、大円と中円の間は7点、大円の外側または当たらなかった場合は1点とします。円周の上に当たったときはその内側と同じ点数とします。
太郎君が5回投げた時の合計は、50点以上59点以下でした。
合計点として考えられる点数をすべて答えなさい。(H27 慶應義塾普通部)
太郎:なんだ、この問題に書いてあったのがさっきの的の点数なのか。でも、この的の点数、なんだかちょっと変わってるなあ。
父:いいところに目を付けたな。
太郎:着眼点より着弾点。的だけに。なんちゃって。
父:くだらないけど面白いな。
太郎:わざと的外れなことを言ったつもりなんだけど。
問題の答えは…見当がつかないなあ。調べるの、大変そうだし。
父:一つのことに徹すると、こんな風に見えるんじゃ。
太郎:ええっ??そんなのありかよお。
父:この的に5球投げるとどうなる??
太郎:そんなの5点になるに決まってるじゃないか!どこに当たっても1点なんだから。
父:ほう。なかなか的を射た答えじゃ。太郎はさっきこう言ったな。なんか変な数字だと。
太郎:普通こんな数字ないと思うけど。なんでだろう。
父:1,7,13,19… 何か気づくことはあるか。
太郎:ああっ、差が6になってる!そうか、等差数列ってことはこの的の数字はすべて
6の倍数+1になってる!だから父ちゃんには全部の数が1に見えたんだね!!
父:と、いうことは。
太郎:5回投げたら6の倍数+5になる。
だから、50点以上59点以下なら53点と59点の2つに決まっちゃう。瞬殺だ。
やっぱり父ちゃんの言うとおりだ。一つのことに徹すると、見えるものすら違ってくるんだ…
父:相変わらず調子よすぎ、今回も展開早すぎだぞ。
太郎:それよりもっとコントロールに磨きをかけたいな。
いかがでしたか。
「余り」に注目して数を見ると、今までと違った見方ができるるかもしれませんよ。
数の性質のやや上級テクニックですが、使いこなせると破壊力があるので、得意にしたい人にはおすすめします。
それではまた。