肌寒い季節になってきました。気候は寒くなっても、算数では寒い思いはしたくないものです。
どんな学校の入試においても、合格点をとるための条件として、まず
①みんなが得点するところで落とさない
ことがあげられます。
今回は、いわゆる基本問題のうち、ミスせず確実に得点したい問題を扱います。
まずは今回の問題です。
1,1,1,2,2,3の6枚のカードから3枚を並べてできる3桁の整数は( )通りあります。
1枚目は1,2,3の3通りの場合があります。いきなりですが樹形図を用いて考えてみます。
解法1 「いきなり!樹形図」打法
1枚目を1にして書き始めると、2枚目はこうなります。
3枚目も書いていきます。
続けます。
この調子で進めばよいのですが…
そうは問屋が卸しません!
この図の一番下の数は、133ですね。3のカードは1枚しかないので、除外して、
こうなります。ということは、このあと
2は3枚使えない
3は2回以上使えない
というルールに気を付けながら調べる必要がありそうです。
慎重に調べた結果、
ここまで頑張れば、あとは個数を数えて…
(ここで数え間違えるとすべてが水の泡!)、
19通り
と答えが出ました。
どうでしたか。樹形図を描くことで、複数の可能性を同時に表示することに成功しました。
このやり方「いきなり!樹形図」打法の重要なポイントは、
「慎重に調べる」
ことだと言えそうですね。
別の言い方をすると、1か所でも慎重さを欠くとアウトになってしまうわけで、ミスのリスクは全く排除できていないとも言えます。
うーん。もう少し安全にいけないものか。
そこで、今回利用するのが
場合分け
の考え方です。
解法2 「まず分類」打法
3桁の整数を、以下のパターンに分けて考えてみます
② aab型
③ abc型
① aaa型
使う数字が1種類になるパターンは
111の1通りです。
② aab型
続いて、使う数字が2種類のパターンです。
3が1枚しかないので、並べる3つの数字は、以下の4種類が考えられます。
1,1,2
1,1,3
2,2,1
2,2,3
1,1,2の場合、2の位置を考えると3通りの並べ方があるとわかります。
他も同じく3通りですね。よって、②のパターンは
3×4=12通りあります。
③ abc型
3種類の数字を使います。使う数字は
1,2,3
これしかないですね。
3つのものを並べる順列なので、並べ方は
3×2×1=6通りです。
以上①②③を合わせると、
1+12+6=19となり、先ほどと同じ答えにたどり着きました。
この方法のメリットは、分類したものは、すべて処理方法が同じ
ということです。今回の問題でいうと、
②aab型に分類したものは、1つ1つ考える必要はない
ということです。
テストの答案は〇×しかつかないので、どんなやり方でも正解なら同じ〇なのですが、場合分けの巧拙により、処理時間と処理制度に差が出ることが少しわかっていただけたのではないでしょうか。
上手に場合分けをして処理を楽にしようという意識を持つだけで、確実に優位に立てるわけです。
いかがでしたか。苦手な人はわかりやすい方で覚えてもらえばよいです。
とにかくこのパターンが出たらいつでもどこでも絶対正解できる!
ことを目指して完全にマスターしましょう。
それではまた。