今回は整数問題です。頻出度☆☆。
本番では思い通りにいかないことが必ず出てくるもの。そんな時にどうやって乗り切るかを、この問題を通して考えます。
【問題】
ある条件にしたがって作った整数のうち、7の倍数であるものがいくつあるかを考えます。
【条件1】
1から7までの数字だけを使って2けたの整数を作ります。ただし、同じ数字を2回使ってもよいものとします。
(1) 【条件1】によってできる2けたの整数のうち、7の倍数であるものは何個ありますか。
【条件2】
1から7までの数字だけを使って3けたの整数を作ります。ただし、同じ数字を2回以上使ってもよいものとします。
(2) 【条件2】によってできる3けたの整数のうち、7の倍数であるものは何個ありますか。
【条件3】
1から6までの数字だけを使って4けたの整数を作ります。ただし、同じ数字を2回以上使ってもよいものとします。
(3) 【条件3】によってできる4けたの整数のうち、7の倍数であるものは何個ありますか。
(2021年 開智中学校)
父:まず(1)だ。どんな作戦で行くかな。
良夫:正直見通し立たない。見通しが立たないときは、まず全部書いてみる。
7×7=49個だから、調べ切ることができそう。
7の倍数に〇をつけていくね。
11
12
13
14 〇
15
16
17
21 〇
22
23
24
25
26
27
…以下続く
7個だね。
父:正解だ!思うようにいかないときは、書いて調べるというのはよい作戦だった。
書き出したものから規則が見つかるチャンスもあるからな。
では、(2)はどうする?
良夫:7×7×7=343個か。…これは全部書きたくないね。
父:では、どうする?
良夫:わかってるって。(1)を生かすことを考えるんだね。
父:(1)ではどうだったかな。
良夫:各パーツで1個ずつ〇印がついていたなあ。
父:(2)でもそうなっているとすると…
良夫:上2けたの決め方が、7×7=49個あるから、49個かな。
自信はないけど、エイヤッ。答えは49。
父:せ、正解だ。
良夫:そうなの??
自信も根拠もないんだけど…
父:答えのみの問題なら全く問題ない。ただこの問題は記述問題だから、説明が必要だ。
根拠も最初からわかるとは限らない。後から確かめることができるからな。
もう一度(1)をよく観察してみよう。7の倍数を判定するわけだから…
良夫:7で割った余に注目か!数字の右に7で割った余りを書き出してみよう。
11 4
12 5
13 6
14 0 〇
15 1
16 2
17 3
21 0 〇
22 1
23 2
24 3
25 4
26 5
27 6
…以下続く
父:何か気づくことはないか。
良夫:うーん、余りも1ずつ増えている。7で割った余りは0,1,2,3,4,5,6の繰り返しだから…
そうか、どこから始まっても0,1,2,3,4,5,6のセットが入るから、
余り=0が必ず1回入るのか!
父:その通り。上2けたを決めると、必ず連続する7個の整数が出てくるわけだ。連続する7個の整数の中には、
良夫:7の倍数が必ず1個だけ存在する。というわけか。
父:(3)はどうかな。
良夫:(3)は数字の条件が変わっているから、(2)までの結果が直接使えない。
父:いい読みだな!
あくまで7で割った余りだから、調べることはできる。
各位に1から6を入れて、7で割った余りを調べてみよう。
良夫:わかった。千の位からいくね。
1000 余りは6
2000 余りは5
3000 余りは4
4000 余りは3
5000 余りは2
6000 余りは1
これを百の位、十の位でも調べて、余りの合計が7の倍数になる組み合わせを探せばいいんだね。少し大変そうだけど十分見通せた気がする。
父:そうだな。あとは自分の力で確かめてみよう。
問題の答え
(1) 7個
(2) 49個
(3) 186個
いかがでしたか。
できる問題は確実に取る、これはここまでしっかり練習してきているのではないでしょうか。
思うようにいかないときにどうするか。
焦るなという方が難しいですね。
追い込まれた場面でも粘りましょう。
①調べ切る
②前問から抽出できることを考える
以上のことを冷静に実行して、合格を手繰り寄せてください。
受験生の皆さんの健闘を祈ります。