場合の数の問題では公式で一刀両断とはなかなかいかず、調べ上げが必要な場面が多くなります。
ここで大切なことは
・条件を踏まえて調べる
・漏れや重複に注意する
ということです。これらのことを意識して取り組めば、徐々に安定して得点できるようになると思います。
今回の問題では
・好きな算数が得点源。さらに難度の高い問題で得点したい
そんな皆さんに向けたヒント(小技)を提供したいと思います。
父:今回も場合の数だ。
良夫:またですか。なんか場合の数が多いなあ。
父:そんなことはない。気のせいだ。苦手意識があるんじゃないのか。
良夫:そもそも場合の数が得意って人、あんまり聞いたことないんだけど。
父:よし、いくぞ。
1,2,3,……,1000までの整数について、次の問いに答えなさい。
(1) 3で割り切れる数は、全部で何個ありますか。
(2) 3で割り切れる数を並べて書いていったとき、7という数字は全部で何回書くことになりますか。
(2020年 本郷中学校②)
父:まず(1)だ。
良夫:1000÷3=333あまり1だから、333個。あれ、ほんとにこんなんでほんとにいいのか?
父:そこが場合の数のいやなところだ。自分の答えが合ってるか確かめられない。たとえ不安でも、そのまま次に行くしかないのだ。
良夫:わかった。(2)は7の個数かあ。
父:さすがに333個調べようとは…
良夫:お、思いません。
父:では、解く前に作戦会議じゃ。
良夫:3の倍数が条件だから、
はじめが27, 次が57, じゃあその次が87?
父:ちょっと待った。
良夫:はい。ああっ、その前に72,75,78があるね。
父: 闇雲に進めないために、やはり場合分けしたいところだ。
効率よく、いや効率が悪くても(答えにいきつくためには)よしとしよう。
どんな場合分けの方法が考えられる?
良夫:まず一の位、十の位、百の位に現れる7をそれぞれ別に数えるのはどうかな。こんな感じ。
□□7
□7□
7□□
の3パターンに分けて、それぞれの3の倍数の個数を調べる。
父:有効!
ほかに場合分けの方法は?
良夫:うーん。やっぱり7の個数かな。
7が1個の数、7が2個の数、7が3個の数に分けて、それぞれ調べる。
父:有効!具体的には?
良夫: じゃあいきます。
7の個数については、次のように場合分けします。
7が1個の数:□□7、□7□、7□□
7が2個の数:□77、7□7、77□
7が3個の数:777
□が7以外という条件で各パターンの個数を求める■
父:す、素晴らしい。流れるような展開。
良夫:今日はそういう設定なんだって(笑)
父:そ、そうだったかな。
いずれにしても、どちらも漏れなくすべてを調べている点で完璧な場合分けだ。
このような戦略を持って臨めば、必ずや成功するであろう。
いかがでしたか。
問題(2)の正解は99個です。
作戦1でも、作戦2でも、それ以外の方法でもよいので、ぜひ自分の手を動かして解くことをお勧めします。
問題を見て、さあ一体何をすればよいのか、というゼロからのスタートではなく、
まず、どうやって場合分けしようか考える
ここからスタートしたいところです。得点力を備えている皆さんは、おおむねできているものと思います。
続きは次回お話しします。お楽しみに。