場合の数を数えるときに、ちょっとした工夫で楽に数えられることがあります。
今回取り上げる「対応で数える」という考え方は、かなり強力です。よく出てくるものは「定番化」しています。ここまで場合の数を学んできた皆さんのほとんどが、「トーナメント戦とリーグ戦の試合数」問題をやったことがあるのではないでしょうか。
「定番化」しているものを押さえていくだけでも、処理が早く楽に、ミスなくできるようになるでしょう。
父:こんな問題をやったことはあるか。
【例題】
全国高校サッカー選手権の2023の青森県予選では、合計24チームが争い、青森山田高校が全国大会に進出しました。
(1)青森県予選で行われた試合数を求めなさい。
2022年のサッカーワールドカップはカタールで開催されました。予選リーグのグループEでは日本、ドイツ、スペイン、コスタリカの4チームが決勝トーナメント進出をかけて争いました。
(2)グループEで行われた試合数を答えなさい。
良夫:やったことあるよ。トーナメントは「勝ち抜き戦」、リーグ戦は「総当たり戦」だよね。
父:ほほう。
良夫:(1)は23試合。(2)は6試合だ。
父:さすが受験戦士。2問とも正解。どうやって出した?
良夫:(2)は各チーム3試合行うから、全部で
3×4=12試合で、1試合は2チームで行うから、12÷2で求めた。
父:(1)は?
良夫:ずばり、チーム数ー1 で求めると覚えていたから。
父:そうだな。なんでその式で答えが出るんだろう。
良夫:…何か聞いたような気がするけど、忘れちゃったな。
父:甲子園の高校野球で負けたチームはどうなる?
良夫:敗退する。選手たちが球場の土を袋に詰める光景が有名だよね。
父:では、合計何チームが負けるだろうか。
良夫:思い出した!決勝戦で勝ったチーム以外は、すべて敗退するから、
チーム数ー1は、負けるチームの数を表すんだ。
父:じゃあ負けるチーム数を求めたってこと?
良夫:そういうことになるね…だって、1試合につき1チームずつ負けていくんだから。
父:よくぞ言った。試合数=負けチームの数 を利用して、
負けチームの数を数えた(※)ってことだな。
こんなふうに「対応を利用する」ことで楽に数えられる場面が多くあるんだ。
(2)は、その場の判断でうまく切り抜けたな。
良夫:なんか公式があった気がする…
父:その場の判断が優先だ。理想的な動きと言っていい。
実はここでも「対応」を使って数えることができる。
4チームから2チームを選ぶ方法は何通りありますか、と考えると?
良夫:そうだった。組み合わせ公式を使って
で求められるね。
父:何が対応しているかというと?
良夫:だから、1試合を2チームの対戦と考えると、
「試合数」と「2チームの選び方」
が対応してるってわけだよ。
父:うまくまとめたな。
良夫:このパターン、他にもあるかな?
父:もっと楽がしたいと(笑)ほかにも紹介していくぞ。
突然ですがここでクイズ。
良夫:えっ
父:24チームが争ったトーナメント戦で、優勝した青森山田高校は何勝したでしょう。
良夫:トーナメント表を見ればわかるね。
父:そりゃそうだ。じゃあとりあえず4択で
①2勝
②3勝
③4勝
④5勝
正解は次回発表するぞ!断っておくが、この問題は算数とは一切関係ないからな。
良夫:わくわくするね。
それでは、
良夫・父:次回をお楽しみに!!