円順列、というものがあります。円卓に何人か座る、というやつです。今回は最もベーシックな問題を考えていきます。
【問題】
丸いテーブルにABCDの4人が座ります。
(1)4人の座り方は何通りありますか。
(2)回転すると同じになる並び方は同じものと考えるとき、4人の座り方は何通りありますか。
父:まず(1)はどうだろうか。
良夫:4つのイスに4人が座るから、4人の並び方を考えて、
4×3×2×1=24通りだと思う。
父:さすが。
では(2)はどうだろうか。
良夫:「回転する」の意味がわかりにくい。
父:(1)の24通りのうち、時計回りにABCDの順になっているものが何個あるか考えることにする。ABCD、って言い続けてみて。
良夫:えっ。
ABCDABCDABCD…
父:この並びの中に、ABCD以外に
BCDA
CDAB
DABC
の3つの並び方が入っているのがわかっただろうか。
良夫:なるほどねえ。たしかにある。切り方を変えているだけなのか。じゃあこのABCD、BCDA、CDAB、DABCはすべて同じものだと。
父:そういうことだ。
良夫:それじゃあ、4個あったものがすべて同じものだから、
24-3で21かなあ。
父:惜しい!
実は、回転させると同じものがきれいに4通りずつあって、(1)の結果の24は、すべてを4通りずつ数えた結果なんだ。
ということは、区別をやめるから…
良夫:24÷4=6通りってこと?
父:そう。
良夫:そうはいうけど、なんかスッキリしない。
父:スッキリしなかったか。
じゃあ今度は丸いテーブルに本当に座ってみようか。
良夫:しょうがないな。(仕方なく座る良夫)
父:良夫以外には、何人いるかな。
良夫:あと3人いるよ。
父:ではその3人を右から順にBCDとしよう。
良夫がどこにすわっても、その3人が同じBCDになれば同じ並び方になる。
じゃあ良夫からみた3人の並べ方は何通りあるだろうか。
良夫:僕がどこにいても僕から見た3人の並び方だけ考えればいい。それなら
3×2×1=6通りの並び方があるね。
そっか!自分から見える景色だけを考えればいいのか。
ってことは、
「5人が座る」だったらボクから見た4人の景色を考えて
4×3×2×1=24みたいになると。
父:すごい。
良夫:ボクにはこの方が楽だなあ。
今回のまとめ
4人の円順列の求め方
①回転させると同じになるものが4通りずつできる
4人の順列÷4で求める
4×3×2×1 ÷4 =6通り
②1人から見た3人の景色3人の順列で求める
3×2×1=6通り
いかがでしたか。
「回すと同じになるものを区別しない」ところは、理解しづらいところだと思います。良夫がスッキリしないのもうなずけます。
もちろん結果を公式としてそのまま使うのもありですが、自分なりに理解しておくと、忘れにくくなると思います。
また研究していきましょう。