場合の数は不人気単元の代表格です。「好き!」という人をあまり見たことがありません。
なぜ嫌われるのでしょうか。
順列や組合せの公式はありますが、その公式でさえ、どちらを使うか判断しづらい問題も存在します。そのため、その場その場の解き方があるように感じられ、狙い球が絞れず構えにくいのではないでしょうか。
父:今回は場合の数の復習だ。こんな問題、見たことあるかな。
【問題】
0,1,1,2,3を用いて作ることができる3けたの数は( )個ある。
良夫:あるっていえばあるけど。
父:どうする?
良夫:仕方がない。いきなり樹形図作戦!
(せっせと樹形図を書く)
ふう。書きました。26通りあります。
父:正解!!
良夫:あーあ、0,1,2,3なら簡単なのになあ。
父:今何て言った?
良夫:0,1,2,3なら簡単って…
父:0,1,2,3の4枚なら簡単だと。
良夫:これはね、百の位から順番に考えて
3通り×3通り×2通り=18で出せるんだよ。
父:ふーん。なんで?
良夫:百の位は0が禁止だから1,2,3の3通り。
十の位は0が使えるから残りの3通り、1の位はさらに残りの2通りということなんですが、何か?
父:じゃあ最初はそれでスタートしたことにしちゃえばいいんじゃないの。
良夫:えっ?
父:まず0,1,2,3の4枚で調べて18通りあった。そこに新たに1が1枚追加されると。
良夫:追加か。
父:1が追加されることで「新たに」作れるようになる数字を考えるのだ。
良夫:よし、調べてみよう。
110
101
112
121
211
113
131
311
で、8個追加だ。
これで、答えが18+8=26ってことか。
父:OK。
樹形図とどっちが楽?
良夫:微妙だなあ、テスト中にこんな風に分けて調べる自信は、ない。
父:そうだな。1だけが2個あるところを何とかできればいい。ここで、場合分けだ。どんな場合分けができるか。
良夫:単純に1だけに注目すると
①1を0個使う
②1を1個使う
③1を2個使う
で場合分けできると思う。
父:有効なやり方だ。答えは出せるぞ。
でも、さっきのやり方は、
①まず0,1,2,3で作れる数字を調べる
②1を1個投入して、新たにできる数字を調べる
という流れだった。そう考えると、どんな場合分けになるかな。
良夫:うーん。
…1を2個使うか、それ以外か。
父:おおっ、「それ以外」を言い換えると?
良夫:1を1個までしか使えない
父:つまり、さっきの3つの場合分けのうち
①1を0個使う ②1を1個使う
この2つをまとめて、「1を1個まで使える場合」としていいんじゃないか。
良夫:つまり、こう分けるってこと?
①1を1個まで使える場合
②1を2個使う場合
父:そうだ。こうすれば良夫が言った「0,1,2,3なら簡単」を使えるようになる。
個数が不平等な時は…
良夫:「個数が平等な場合」を考えればいいんだね。
もうちょっと練習を積んで自信がついたら使ってみよっかなあ。
今回のまとめ
場合分けの作戦
①場合分けせず、とにかく樹形図に走る。
②1の使用個数が0個、1個、2個で場合分け
③1の使用個数が「1個まで(=0個または1個)」「2個」で場合分け
いかがでしたか。
上記①②③はすべて正解です。どれを選んでもよいです。
ただ、どれがわかりやすいか、となると完全に好みが分かれると思います。自分に安心感のあるやり方がベストです。
②③を選ぶ場合は
「個数が不平等なら場合分けを考える」「平等になるような場合を考える」程度の方針をあらかじめ決めておくと、構えやすくなるでしょう。
今回の内容を参考にして、自分のやり方を確立していただければ幸いです。
次回をお楽しみに。