こんにちは、太田 陽光です。
今日は4月1日ですね。
塾では2月から新学年として扱われますが、
今日から名実ともに、新たな学年になります。
フレッシュな気持ちで中学受験勉強に臨んでいきましょう!
さて、今回は、記述問題がテストのときに空欄になってしまうことについて書きたいと思います。
よく、「何でもいいから書きなさい」という言葉を耳にします。
確かにこれも真実です。
何かを書けば、それが経験となり、
そのうえ良い点数までもらえたらなら、それが自信となり、
そのあとは自然と書けるようになる・・・。
「何でもいいから書きなさい」と言う方には、このような道すじが見えているのでしょう。
でも、記述が書けない生徒は、本当に何を書いたらいいのかわからないのでしょうし、
仮に書けたとしても、生徒自身の中で記述の書き方が身についていないので、
書いても書いても×と添削され、ますます自信を無くすことになるかもしれません。
以前担当した生徒でこんなことがありました。
その生徒は、記述問題に対する抵抗は全くなく、テストでも空欄はありませんでした。
ただ、その記述の内容は決して褒められたものではなく、線の近くの言葉をただ書いているだけ、というものでした。
私はその生徒に対して、
設問で聞かれていることを必ず確かめて、
それに合った内容が本文のどこにあるかを探すことが大切だ、
ということをしようと話しました。
具体的な指示として、
1 設問の中の、キーワードに線を引く
2 そのキーワードについて書いてある本文の部分を探す
というものを出しました。
その生徒は、今度は記述問題に対し、時間がかかるようになりましたし、書けないこともありました。
しかし、この書き方のトレーニングを繰り返し行った結果、
どのように書くのかを理解し、
問題をちゃんと考えたうえでの記述が、最終的に書けるようになりました。
精神論・経験論ではなく、
合理的な書き方を知り、それを自身の中でパターン化すること
これが記述問題を書く際には必要なのです。
たとえば、物語文の記述であるなら、
できごと+気持ち
というパターンで書けるようになることがまず大切です。
では、この物語の記述のパターン化をどうすれば身につけられるでしょうか。
まず、できごとについて説明します。
「できごと」とは、「今までにない気持ちがわいてくるきっかけとなること」。
必ずではないのですが、線部の直前に書かれていることが多いです。
そして、自分以外の人物の言動表情であることが多く、
できごとの実際の書き方として、たとえば
「~見て、」「~聞いて、」「~知って、」「~言われて、」などで結ぶと、
そのあとに書く「気持ち」につながりやすくなります。
実際にサピックスの物語文の記述問題の模範解答には
「~と知ったことで、」(新6年1月組分け大問4問六)
「~先生に言われたが、」(新6年2月マンスリー大問4問六)
というように、「できごと」の内容が結ばれていました。
次に気持ちです。
こちらは、「できごと」と線部を読んで、それに合う「気持ち」を考えて書くのです。
色々な気持ちを知っていく必要がありますが、こちらはこれからの問題演習で身につけていけます。
このように、書き方を自身の中でパターン化できたら、
記述問題に対する初動もだんだん早くなり、点数も伸びてくるはずです。
そしてそのときにはもう、記述の空欄はなくなっていることでしょう。