こんにちは、太田 陽光です。
先日、5年生のサピックス5月度マンスリーで、修飾語の問題が出題されました。
修飾語は、解き方をしっかりと理解できていない人が意外と多い分野ですので、
今回は修飾語問題の解き方【基本編】と題して書きたいと思います。
① 「修飾している」は、「つなげて読んだときに、意味がつながっている」ということ
まず、修飾語とは「他の言葉を詳しく説明する働き」を持つを持っている語句のことです。だから「修飾している」というのは、修飾語を他の言葉(被修飾語といいます)につなげて読んだときに、意味がつながっていなければ、あるいは、文としてつながっていなければなりません。そしてこの修飾語の働きがわかっているかを国語では問われます。問い方としては「修飾している文節を答えなさい」、「かかっている言葉を答えなさい」などがあります。
②体言を修飾するのか、用言を修飾するのか、を考える
修飾語には二種類あります。
[A] 連体修飾語 体言(=名詞)につながるもの
考え方→「何?」につながるものを想定します。
[B] 連用修飾語 用言(=動詞・形容詞・形容動詞など)につながるもの
考え方→まずは動詞「どうする?」につながるものを想定します。
この判別法から、問題とされた修飾語が[A][B]のどちらなのかを考えます。
では、例文を使って考えてみましょう。
【例文】 今日 私は 受験ドクターで 好きな 国語を 学習した。
まず「受験ドクターで」が修飾しているのは体言か、用言か、を考えてみましょう。
A 受験ドクターで何
B 受験ドクターでどうする
Aだと、途中で途切れているようになってしまいました。
Bだと、きちんとつながっています。
だから、「受験ドクターで」は用言を修飾する言葉だとわかります。
次に「好きな」が修飾するのは、体言か、用言か、を考えてみましょう。
A 好きな何
B 好きなどうする
今度はAのつながりが良く、Bはつながっていないのが分かります。
だから、「好きな」は体言を修飾する言葉だとわかります。
このようにして、修飾するものが体言と用言、2つのうちのどちらなのかを考えるとつながりがわかりやすくなります。
② 実際につなげて読んでみる
最後に、修飾語を他の文節につなげて読んでみます。
そのとき、修飾する言葉が、文中のその言葉よりも前にはないのが基本です。
(例外として、倒置法があります)
修飾語は別名「飾(かざ)り言葉」と言います。
飾るために表面を覆うもの=上にくるものとお考え下さい。
また、体言の後にくる助詞(は・で・を等)は省略して考えます。文のつながりをわかりやすくするためです。
このブログでは( )でくくってあります。
では実際につなげて読んでみて、問題を解きましょう。
【例文】 今日 私は 受験ドクターで 好きな 国語を 学習した。
【問題】 「受験ドクターで」が修飾している文節はどれでしょうか?
受験ドクターで 今日→× 体言ではつながらない 前にある文節
受験ドクターで 私(は)→× 体言ではつながらない 前にある文節
受験ドクターで 好きな→× 意味が途切れている ※「好きな」は形容動詞
受験ドクターで 国語(を)→× 体言ではつながらない 意味が途切れている
受験ドクターで 学習した→◎ ※「学習した」は動詞 (細かく言うと「学習」という名詞に「する」という動詞がついた複合動詞)
この結果から、修飾しているものは 「学習した」だとわかります。
もう一つ問題を解いてみましょう。
【例文】 今日 私は 受験ドクターで 好きな 国語を 学習した。
【問題】「好きな」が修飾している文節はどれでしょう?
好きな 今日→× 前にある文節
好きな 私(は)→× 前にある文節
好きな 受験ドクター(で)→× 前にある文節
好きな 国語(を)→◎ つながりました
好きな 学習した→× 用言(動詞)ではつながらない
この結果から、修飾しているものは、「国語を」だとわかります。
まずは、ここまでをしっかりと理解しましょう。
次回は入試問題にも出る修飾語について書く予定です。