こんにちは、太田 陽光です。
前回まで、修飾語について書いてきましたので、その流れに乗って、
今回も修飾語について、
しかも、やはり、模試や入試に出題されやすいものに関して書きたいと思います。
それは連体詞です。
連体詞は、教科書的に言うと、
活用のない自立語で、体言を修飾する働きを持つもの
です。
簡単に言うと、
名詞にだけつながる言葉
ということです。
では、なぜ連体詞が模試や入試に出題されることがあるのかというと、
それは、他の品詞と似ているもの、まぎらわしいものがあるからです。
例えば、「大きな」は連体詞ですが、
「大きい」という形容詞に似ています。
しかし形容詞の活用は、中学生で習いますが、「かろ・かっ・く・う・い・い・けれ」という語尾だけです。
「な」という活用語尾はありません。
つまり、「大きな」は形容詞ではないのです。
また、「大きな」は「大きさ」という名詞にも似ています。
しかし、連体詞のように、直後に名詞がくるのとは違い、
「東京や神奈川、埼玉・千葉」のように、
「や」、「の」などの助詞や「、」や「・」を間にはさまければ、名詞にはつながりませんし、
それらをはさまず名詞の直後に名詞を続けると
「東京観光」のように、二つの名詞が複合して、一つの名詞としてとらえられてしまいます。
このようなことから、連体詞が問題として出される場合は、
品詞の区別がまぎらわしいものになるのです。
さらに話を進めます。
連体詞は他の品詞と似ている、まぎらわしいものが出題される、ということは、
連体詞は、ある程度、決まったものが出題されるといえます。
だったら、よく出る連体詞を暗記してしまった方が良いのではないか?
と私は考え、連体詞暗記公式を作りました。
個別に説明をします。
「大きな」と「小さな」は先ほど書いた通り、形容詞と名詞に似ているのでまぎらわしい。
「わが」は「わたし」の「わ」と助詞の「が」に分けてしまいがちです。
「わが」で一つの品詞、連体詞です。
「とんだ」は「ジャンプした」の意味なら動詞の過去形ですが、
「とんだ災難」というように直後に名詞がくることがあり、その場合は連体詞です。
「あらゆる」は「すべての」という意味の連体詞です。
「おかしな」は「おかしい」という形容詞と似ていてまぎらわしい。
「さる」と「きたる」は年月日などの時期を表す名詞が直後にくると、連体詞です。
たとえば、「さる9月1日に、防災訓練が行われた」や
「きたる2020年、東京でオリンピックが開催される」という使い方をします。
「あの」と「この」は指示語・こそあど言葉です。
なので、これ以外の「その」と「どの」も連体詞であると連想してほしいです。
指示語のほとんどは「これ」や「そこ」などのような名詞ですが、
「の」で終わるものは、「あの本」「この人」のように、連体詞です。
「例の」は「例」が名詞、「の」が助詞と考えがちですが、
「例の」で一つの品詞、連体詞です。
「ある」はもちろん「存在している」という意味なら動詞ですが、
「ある日、ある人が、あるところで、あることをしていた。」
という文の「ある」はすべて連体詞だともうお分かりいただけるでしょう。
もちろんこれ以外にも、「いろんな」や「いわゆる」という連体詞が出題されたことはありますが、
まずこの連体詞暗記公式を覚えてもらえれば、
連体詞の仕組みを意識しないでも、他の品詞と区別することができます。
連体詞の問題を解く力を養うことの一助となれば幸いです。
最後までお読み頂き有難うございました。