こんにちは、太田 陽光です。
今回は、語彙力、特に、一つの言葉を様々に表現できる力をつけるための学習法について書きます。
今までは国語で苦労してこなかったのに、5年生の後半くらいから、苦戦しだした。
そのようなお子様が少なからずいらっしゃると思います。
その原因の一つは、
今まで生活の中で身につけてきた語彙で読めていた文章、解けていた問題ではなくなったからです。
では、新たに語彙力をつける場合、どうしたらよいでしょうか。
まず、市販されている語彙力をつける教材を購入し、それを行う学習法が考えられます。
これらは、言葉の種類や関連性などによって体系的にまとめられていたり、
難易度別に分けられていたりと、覚えやすい工夫がなされています。
また、塾のテキストでわからない言葉を国語辞典で調べるという学習法もあります。
私も以前の集団塾では、意味調べを1文章から最低3個はしてくるという宿題を出していました。
できるだけ楽しく行わせるために、調べてきた言葉は1つにつき、1ポイントを与え、
さらに私が調べてほしかった言葉を調べた場合にはボーナスポイントを与えていました。
ただ意味調べは、国語の学習としてはあくまで補助的なものなので、調べるのは10個までとしました。
そうしないと、国語の力を伸ばす手段としての意味調べが、国語学習の中心になるという、本末転倒を起こしてしまいます。
私はこの二つ以外の語彙力をつける学習方法を生徒に提案しています。
それは、国語の問題にある言葉が、本文中のどの言葉と同じ意味なのか、を確かめるという学習法です。
もう少しわかりやすくお話しします。
たとえば、選択肢の表現が、本文の表現と同じならば、易しい問題です。
4年生の問題はこのようなものが多かったと想像します。
しかし、学年が上がるにつれて、選択肢の表現と本文の表現が徐々に変えられていくことで、難度も上がっていきます。
先程書いた通り、国語の成績が伸び悩みだしたお子様の原因の一つはここにあるのだと思います。
その課題克服のために
自分が間違えた選択肢問題の表現が、本文のどの表現の言い換えなのかを確かめることで、
自分が知識として持っていなかった語彙を、テストの解き直しをするのと同時に身につける。
これが、私が今回ご紹介する語彙力をつける学習法です。
たとえば、サピックス新6年組分けテスト(1月実施)大問4(物語文)において、
本文中の表現「作文しよう」、つまり、本心から書かなかったものを、
問四の正解選択肢では、「無難な文面」
問六の正解選択肢では、「あたりさわりのない文面」
と表現していました。
これを実際に自分の目で確認するのです。
真剣に取り組んだテストから語彙力をつける学習法は、
定着度が高くなると考えられますし、
実際の選択肢の選ぶ時の着眼の仕方も鍛えられます。
つまり国語の問題を解く力もつきます。
また、記述問題や抜き出し問題でも、この学習法は使えます。
抜き出し問題では問題にある言葉を、記述問題では模範解答の言葉を、本文から探すのです。
いかがでしょうか。
単にたくさんの語彙を覚えるのではなく、さらに時間を多くかけるのでもなく、
真剣に解いたテストから、効率的に実用的な語彙力をつける学習法を提案してみました。
お役に立てば幸いです。