こんにちは、太田 陽光です。
今日は、接続語の問題について書きます。
中学受験で習う接続語は基本的には10種類です。
・順接(だから)
・逆接(しかし)
・並立(また)
・添加(そして)
・換言(つまり)
・転換(ところで)
・選択(または)
・例示(たとえば)
・理由(なぜなら)
・補足(ただし)
接続語の種類の名前まで答えさせる問題はなかなかありませんが、
接続語のそれぞれの働きはなんとなくではなく、しっかりと覚えましょう。
それが正解率を上げる第一段階です。
その中でも、順接の接続語の働きは最重要と私は考え、
以下のことを暗記するように、と生徒に話しています。
なんとなく覚えている生徒は、
前に原因・理由があるのか、後ろに原因・理由があるのか、混同してしまっています。
しかし、順接の働きをしっかり覚えていれば、
「前に書かれている内容が原因で、後ろに書かれている内容が結果であるから、答えは順接だ」
と、根拠を持って正解が選べます。
サピックスの3月の復習テスト大問3の問1接続語の問題の3の正答率は58%でした。
類題を次にあげます。
( )に入る接続語を答えなさい。
食料が我が家に届くには、生産者の存在が必要だし、運搬業者も小売業者も必要だ。
( )行政のあり方として、生産者や運搬業者、小売業者が連携できるように働きかける試みがあってもよいのではないか。
サピックスの問題では、
選択肢の順接の接続語が「だから」ではなく、「それゆえ」であったのも難しくなった理由だと考えられますが、
接続語の問題では、
前後の関係が、「原因」と「結果」の関係のときもある
という判断材料を持つと、正答率が確実に上がると考えます。
もう一つ、正答率50%になる接続語の問題について書きます。
接続語の問題を解くときに、すべての生徒は、当然のように、
「空欄の前後を読んで解いている」
はずです。
しかし、正答率が50%の問題では、これだけだと間違える可能性があります。
もう少し言葉を補足しないといけません。
それは
「空欄の前後の文末まで読んで解く」
です。
文末まで読めば、
・前後の関係が、原因と結果なのか→順接(だから)
・似た内容を付け加えているのか→添加(そして)
・具体的な言いかえなのか→例示(たとえば)
・まとめた言いかえ、もしくは、別のことばでの言いかえなのか→換言(つまり)
・対等なものを並べたものなのか→並列(また)
・対比としてならべたものなのか→選択(または)
の違いが見えてくるのです。
サピックス3月の組分けテスト大問3の問1接続語の問題も決して高い正答率ではありませんでした。
原因には、添加(そして)と換言(つまり)を混同している生徒の多いことが考えられます。
類題を次にあげます。
( )に入る接続語を次の中から選びなさい。 {つまり・たとえば・しかし・そして}
自分のしたことを否定されたり、注意されたりすると、人は弱くなる。
・・・中略・・・
他人に自分のしたことを否定されると、自分に自信がなくなる。精神的に不安定な自己が確立されるのだ。
( )注意されると、自分が間違えたと思い、積極性がなくなる。自ら動くことにためらいが感じられるのだ。
前後の一文、もしくは直前直後の一部だけを見て答えると、間違える可能性が出てきますが、
視野を広げて前後の一文、特に文末まで読むと、共通していることがわかります。
答えとして逆接は論外ですが、
( )の後ろが、例ではないですし、→×たとえば
同じ内容、言いかえでもありません。→×つまり
サピックスとしては、 まとめの文にある「否定したり、注意されたり」に注目してほしかったのでしょう。
とても大切なことです。
ただし、 前後の内容が、
同じことを言っているのか=換言(つまり)
似ていたとしても違うことを言っているのか=添加(そして)
を接続語の問題の判断材料として持つと、
半数近い生徒が落とす接続語の問題でも、しっかり正解できるようになります。