こんにちは、太田 陽光です。
国語の学習相談で、よくあるものが、
「時間内に解き終わらない」
「最後の方の問題が空欄のまま、時間が来てしまった」
などの、時間配分に関するものです。
以前、担当したお子さんは、私の授業を非常に真面目に聞いてくれていたのですが、
2学期に過去問を解いたとき、制限時間50分のところ、100分かかったことがありました。
さすがにこれはまずいかも…と私も思いましたが、
入試では時間内にちゃんと終えられたようです。
そのお子さまが入試後私に「国語が一番よくできた!」と言ってくれました。
時間内に終わらなければ、こんなこと言えませんよね。
その後たくさんの問題を解くことで慣れていき、スピードが上がる。
また、時間を自分自身の課題と考え、時間を意識して解くことで、スピードが上がっていく。
この順序が私は正しいと思っています。
ただし、塾の組分けテストなどで、
「国語さえ時間内に解けていたら、クラスが上がっていたり、今よりもレベルの高い中学を志望校にできたりしたのに」
という切実な悩みをもっているお子さんに対して、いくつかのアドバイスを私はしています。
読むことに時間がかかる場合
読むことに時間がかかるお子さんには、
まず、家でストップウォッチを使って読み終わった時間を計ることを勧めています。
時間を意識できるようになるトレーニングです。
ただしこれは、内容を一切考えない読み方になるので、内容を理解しながらじっくり読むことも同時に行う必要があります。
そうでないと、ただ早く読んだだけで、内容を理解しないまま問題を解くことになるので、
もう一度文章を読む必要性が生じ、逆に時間がかかってしまうからです。
内容を理解する読み方としては、
たとえば物語文ならば、主人公の気持ちに注目しながら読むことを勧めています。
主人公の気持ちの変化がどこで起こったのかを把握しながら読むことで、物語の流れがつかめます。
また、物語文の問題で一番多いのは、主人公の気持ちに関するものです。
読んでいるときに、主人公の気持ちを把握できていれば、
多くの問題を解く際に、役に立つことは間違いありません。
結果、問題の要点をつかんでいることになるので、時間短縮にもなります。
問題を解くのに時間がかかる場合
問題を解くのに時間がかかるお子さんには、
すべての問題に目を通す意識を持っておくことを勧めています。
問題には、簡単に答えが出せるものと、時間をかけて考えないと答えが出ないものがあります。
そして、どの問題が時間のかかるものかは、実際に解いてみないとわかりません。
なので、一律に1問2分で解こうなどと考えるのではなく、
あらかじめ問いが何番まであるかを、解答用紙を見るなどして確認したうえで、解く時間をイメージし、
解いているときには、必ず最後の問題まで目を通すために、なかなか答えが見つからない抜き出し問題などは、後回しにするなどの工夫をしてください。
最後のほうにある問題が非常に易しかったということはよくあることです。
そういう問題にテストの解き直しの際に気づいた経験はどなたにもあるはずです。
「あと一分、いや、あと30秒あったらできた問題だったのにぃ!」というふうに。
でも、すべての問題に目を通す意識があれば、このことは防げます。
このようなことからも、すべての問題に目を通すという意識は重要です。
間違えないでほしいのは、すべての問題に答える、ではないということです。
すべての答えを書く、ましてや順番通りに解くということにこだわってしまうと、
時間が足りなくなることになりかねません。
空欄はあってもいいので、自分の力で解ける最後の方にある問題には必ず答えを書くようにしてほしいのです。
時間内に解き終わらないことに悩んでいるお子さんに、効率よく点数を取れるようになる方法を書いてみました。
ぜひ次回の試験の際に意識してみてください。