こんにちは、太田 陽光です。
埼玉県内の入試が始まる1月10日まで、一か月を切りました。
この時期に国語の力を伸ばすのに、私がお子さんに意識してほしいことを今回は書きます。
それは、
国語で今までより点数を伸ばすには、やはり、読む力が欠かせない
ということです。
開成中学 2016年度入試で、次の一文に傍線が引かれた問題がありました。
ますます墓穴を掘った。
これを言い換える問題です。
もちろん、「墓穴を掘る」という言葉の意味が分かっていないと、大きく点数を落としてしまう問題、という前提はあります。
ただし、その部分だけの言い換えを答えとして書いたのでは、〇にはなりません。
「ますます」の言い換え説明がなされていないからです。
そして、この要素を書かないお子さんが非常に多いと過去問添削を通じ感じていました。
たった4字「ますます」がどういう意味を持つ言葉なのかを
答えを書く際に考慮に入れる受験生、
答えでまったく触れない受験生、
これが国語の力の有無の差だと思います。
傍線部の言葉には、一語にも意味があるので、自分の判断で省くことをしないようにしましょう。
本郷中学 2018年度第1回入試では、次のような問題が出ました。
「『私』が不当定多数の匿名の人々にさらされる」とはどういうことか。
「どういうこと」とは、言い換え問題です。
今回の場合、
①『私』が
②不特定多数の匿名の人々に
③さらされる
という3つの要素を、それぞれ適切に言い換えることが求められる
つまり、
【①が②に③こと。】
という形で答えを書く必要があるのです。
本郷中学が発表した模範解答は以下になります。
①自分自身の私秘的な情報が、
②悪意や嫉妬など様々な感情に満ちた誰だかわからない人々に
③知られてしまうこと。
傍線部の3つの要素がどれもきちんと言い換えの要素として使われていることがお分かりいただけるでしょう。
一字の言葉ですら、私は見逃してはならないと授業で言うことがあります。
それは、「も」です。
「も」という言葉は、前のものに続いて同じことを指すときに使います。
「このことも重要な理由となる。」
と書かれた一文があったとき、
「このこと」という指示語が指す内容だけが重要ではなく、もう一つすでに重要なことを本文中で述べていることが読み取れます。
この点を考えないで読んでいくと、筆者が重要だと主張していることが二つあることを見落とす危険性があります。
受験生のみなさん、まだまだ国語の力は伸ばせると信じ、努力を続けてください。
そしてそのときに、
やはり、正確に読むことが、言葉を飛ばさずに読むことが、国語の力になるんだ!
と意識してください。
そうすれば国語の点数は本当に伸ばせます。