こんにちは、太田 陽光です。
今回は、志望校の過去問を解くときに、記述問題でおすすめのひと手間について書きます。
大学入試改革の影響により、中学受験でも記述問題がここ数年で飛躍的に割合が増えました。
当然、塾でも記述に力を入れた指導が行われ、
たとえば、物語的文章問題であるなら、心情記述の解法の手順を
あるいは説明的文章問題であるなら、理由や言い換え問題の解法の手順を
受験生は、身につけ使いこなすトレーニングを今現在していることでしょう。
上記のことはとても大切なことですが、
過去問に関して言うと、もうひと手間かけることで、志望校合格にさらに一歩近づける学習が可能になります。
それは、中学校が出している模範解答の分析です。
開成中学の模範解答
たとえば開成中学ですと、例年、学校説明会開催時に、昨年の入試問題を販売していますし、
それ以降は、学校で販売しています。
この入試問題についている模範解答を見ると、開成中学の求めている記述が理解できます。
それは本文中の表現をそのまま使って記述することではなく、
本文から読み取った内容を自分で考えた言葉で言い換えるということです。
しかも字数はそれほど多くはないので、抽象的表現にすることも求められています。
さらに言えば、2021年度の入試問題では、記述の字数が指定されていました。
つまり、文字数の上限加減も条件になったわけです。
このような条件がある記述問題の対策を開成中学受験生がしっかりと理解するには、
開成中学が出した模範解答を受験生自身が分析することが一番有効だと思います。
人に教わるより、自分で法則を見つけたほうが忘れない、ということです。
武蔵中学の模範解答
武蔵中学も模範解答を発表しています。
武蔵中学は、解答欄のない形で記述問題が出されますが、
どのくらいの字数で書けばよいのかは、模範解答によって知るしかありません。
ちなみに2020年の模範解答の文字数は、最少で66字、最多で105字でした。
また、模範解答の内容から、ある程度本文の表現を使ってよい、
つまり具体的に書いてよいこともわかります。
このようなことを受験生自身が知ることで、学校別の記述の際のポイントをはっきりつかめると考えます。
学校のホームページに入試問題を掲載するところもあります。
鷗友学園女子中学も国語の入試問題は記述が中心ですが、
模範解答をホームページに載せてくれていますので、
記述で、どのような要素を書けばよいのか、どの程度までまとめるべきかなどを分析することができます。
もちろん、残念ながら、全ての中学校で模範解答は公表されていません。
しかし、そのような学校でも、学校説明会で過去問の分析を行っていることがあります。
特に今はコロナ禍のため、オンラインで学校説明会を行う学校が多くなっています。
つまり、受験生が学校の入試分析を直接視聴することが簡単にできるのです。
このような機会をぜひいかしてほしいと思います。