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投稿日:2022年04月11日

テーマ: 国語

読解力をつけるための要約トレーニング(物語文)

こんにちは、太田 陽光です。
今回は物語文の読解力をつけるためのトレーニング方法について書きます。

国語はやはり読解力が必須です。
ここでは、読解力
「問題文章にどのようなことが書いてあったのかを把握する能力」
と定義して話を進めます。
どのようなことが書いてあったかを把握するためには、
その文章のポイントをとらえることができなければなりません。
それを可能にするトレーニングが要約です。
(ちなみに、学習院中等科の入試問題では、物語文の要約が出題されています)

物語文の場合では、
・だれが
・どうした
が一番の基盤となるポイントです。
つまり、主人公(だれが)をとらえ、その人物の行動(どうした)を読み取るわけです。

これに、
・いつ
・どこ
という要素を足すと、いわゆる場面分けの際に考えるすべての要素となります。
つまり、物語文のポイントをおさえるためには、実は場面ごとに分けて考えればよいのです。
話の変わり目に印をつける受験生がいますが、とても有効だと思います。
それにプラスαする形で、その場面では「だれが、どうしたのか」を確認しておくと、読解力の強化につながります。

そして、その場面ごとの「だれが、どうした」をつなげて行けば、要約になります
たとえば、
少年が大会で失敗した
   ↓
少年が次の大会を目指した
 これをつなげると
少年が大会で失敗したが、次の大会を目指した物語
これが要約の核となります。

この要約の核の部分に、あとふたつ別の要素を考えて付け足します。

1つ目は、「気持ち」です。
物語は気持ちを問う問題がほとんどですので、
「どうした」に気持ちを付け足します。
さきほどの例文に「気持ち」を付け足してみます。

少年が大会で失敗し「落ち込んでいた」が、次の大会を目指す「前向きな気持ちになった」物語

ちなみに、これを行うことは、気持ちを表す語を自分で考えるトレーニングにもなります。

2つ目は「きっかけとなるできごと」です。
複数ある「だれがどうした」という行動や気持ちの間に、その変化のきっかけとなるできごとを入れます。
さきほどの例文に、「きっかけとなるできごと」を間に入れてみます。

少年が大会で失敗し落ち込んでいたが、
「友達がはげましてくれたことで」、
次の大会を目指す前向きな気持ちになった物語

このように、どういう要素が必要なのかを知っておけば要約は書きやすくなります

要約に必要な要素を確認します。

・だれ(主人公)
・どうした(行動)
・気持ち
・変化のきっかけとなるできごと

この要約ができるようになれば、物語の読解力はつきます。
また、物語の記述で頻出の、「気持ちの変化問題」のトレーニングを行ったことにもなります。
さらに前述した、場面分けのトレーニング、気持ちを表す言葉を考えるトレーニングにもなります。

始めるにはかなりハードルの高いものですし、添削者が必要となりますが
得るものが非常に多いのが、要約のトレーニングだと言えます。

国語ドクター