こんにちは、太田 陽光です。
国語の問題を解くには語彙力が必要ですが、
文章に出てくる知らない言葉を一つ一つ国語辞典で調べて覚えていくよりも、
漢字や知識の問題を解いていく方が、効率よく語彙力をつけられます。
というのも、子どもは大人が思っている以上に言葉を知らないからです。
言い方を変えれば、
大人がとても難しいと感じる言葉(たとえばゲームなどのカタカナ言葉)を子どもが知っている一方で、
大人が常識と考える言葉を子どもは知らないということがあるからです。
国語という受験科目では、もちろん大人が常識と考える言葉がよく出てきます。
それを知っていると文章の内容がわかるので、問題に正解する確率も上がるわけです。
そしてその大人が常識と考える言葉のほとんどが、漢字や知識の問題で出てくる言葉です。
ですので、国語の問題を解く語彙力をつけるためには、まず漢字や知識問題をしっかりやるのがよいのです。
では知識問題の勉強はどのようにしたらよいのでしょうか。
そこで今回は、国語の知識問題の勉強法について書きます。
その前に知識問題の定義を記します。
知識問題とは、ことわざや四字熟語など、文章読解問題以外の国語の問題すべてを指します。
漢字も知識問題に含まれますが、問題として独立していることが多いです。
今回は漢字を除いたものを知識問題とします。
また、受験間近の小学6年生は、
もうすでに決まった教材を繰り返しおこなうというやり方を知っていると思いますので、
今回はこれから勉強していく人、具体的には小学校中学年を対象とします。
塾で中学受験の本格的内容が始まる小学4年生になると、
国語では知識問題の自主学習用教材が配られます。
SAPIXでは『言葉ナビ』がそれにあたります。
6年生まで繰り返して使える教材として非常に優れたものです。
また、マンスリーなどのテストの出題範囲になっており、
SAPIXでは重要な教材として位置づけられています。
ただし、小学4年生には量も多く、知らない言葉だらけのため、
マンスリーテスト対策としてはなかなか手が回らない子が多いのではないかと思います。
その結果、テストの知識問題でいつも点を落としてしまう…ということになりかねません。
私は知識問題の勉強法の重要な点は次の2点にあると考えます。
-
1 覚えたもの勝ち
-
2 いかに興味を持たせるかが勝負
覚えるための方法は、どんなものでもよいのです。
たとえば、4コマ漫画で四字熟語などを学べるものを使うのも一手です。
実際、知識問題が得意な子に、4コマ漫画で覚えたという人がいました。
ただし、4コマ漫画教材が、
買ったはいいものの、使われずに本棚の肥やしになっているご家庭もあるかと思います。
そこで、いかに興味を持たせるかが勝負になってきます。
私は一人で勉強させないことが重要と考えます。
たとえば、4コマ漫画教材を読んだあとに、保護者の方が質問してみてはどうでしょうか。
ただし、それは保護者の方が先生となって上から聞く関係、
たとえば、「以心伝心とはどういう意味ですか?」という一方的な質問形式ではなく、
対等な横の関係、たとえば、「どの言葉が面白かった?ママはこの言葉が面白かったなあ」
などの相互会話・コミュニケーション形式で行ってみてください。
興味を持たせるための方法には、楽しさが必要です。
一人で行うのではなく、保護者の方が協力して行う。
そうすることで、知識問題の勉強法の基礎が築けます。
もちろんこの方法は、小学高中学年でしか、遅くても5年生までにしかできない方法です。
最後に知識問題が飛躍的にできるようになった子がしていたことを書きます。
その子は自分で覚えた言葉を、現実の自分に引き寄せて、その場で言っていました。
「『テストを今日するなんて、寝耳に水だよ』っていう感じですか」ということを言うのです。
インプットしたものをアウトプットするという、知識定着のための最善の勉強法を自ら実践していたのですね。