こんにちは、太田 陽光です。
今日のテーマは記述問題です。
4月16日に「第1回志望校判定サピックスオープン」テストが行われました。
国語はA問題とB問題と分かれており、
A問題は選択肢・抜き出し・知識問題中心
B問題は記述問題中心となっています。
その中で、
国語力をつけ、抜きんでるチャンス、
そして、
次回「サピックスオープン」で成績を伸ばせる可能性のある問題を見つけました。
それは、B問題の大問2の問三です。
問題は以下のようなものです。
問三 _線③「それは、質問に対して、『そうだ』と答えたのと同じ」とは、どのようなことか。詳しく説明せよ。
※表現を少し変えています。
この問題の正答率は19%でした。
私の感覚では、SAPIXのテストで正答率30%を下回ると難問です。
ですから、10%台となると超難問と言えます。
しかしこの問題は、SAPIXの国語では定番問題、パターン化された問題であり、
また、実際の入試でも頻出問題です。
それは、言い換え問題です。
問いに「どういうこと」、SAPIXの場合は「どのようなこと」とあった場合、
それは、言い換え問題、
つまり、
線部の表現を、言葉を変えて説明すること
が求められる問題です。
今回の問いに当てはめてみると、
線部は「それは、質問に対して、『そうだ』と答えたのと同じ」ですので、
1 それ
2 質問
3 『そうだ』と答えた
4 同じ
の4つ表現を言い換えて書く問いということです。
では実際に、言い換えをおこなってみましょう。
①の「それ」は指示語ですので、
線部の直前に書かれた内容に言い換えます。
直前には「目をそらした」とあるので、これを使います。
また、「それ」は名詞(代名詞)ですので、最後に「こと」(形式名詞)をつけます。
それ→目をそらしたこと
②の「質問」ですが、これは単純な言いかえではありません。
実は問いに大ヒントがあったのです。
それは、
「詳しく説明せよ」
です。
詳しく説明するということは、具体的に書くということです。
つまり、今回の問題では、
「質問」の内容を具体的に書くことが求められているのです。
質問の具体的内容を探すと、一行前に
主人公であり線部を行った人物である緒澤と、会話をしている「和久井」の
「緒澤は違うのか?」という問いかけの会話文があります。
しかしこれでは、何が違うのかが分からないので、
さらに前の和久井の会話文を探します。
すると、
大まかに書くと「一人よりも大勢の方がいい。一人だとつまらない。」という内容の会話文が見つかりました。
上記二つの和久井の会話文を、質問の内容としてまとめて書く、
つまり、
「一人でいるとつまらないので大勢の方がいいという考えと緒澤は違うのか」
「大勢よりも一人の方がいいと思っているのか」
これが②「質問」の言い換えになります。
③の「『そうだ』と答えた」の言い換えは、
「肯定した」
「認めた」
「同意した」
➃の「同じ」の言い換えは
「等しい」
「変わらない」
などがそれぞれ考えられます。
これら①~➃の言い換えをつなげると
「目をそらしたことは、一人でいるとつまらないので大勢の方がいいという考えと違うのかという和久井の質問について、自分は肯定したことと変わらないということ。
このようになります。
この問題で多くのテスト受験生が書けなかったであろう、減点されたであろう部分は
「それ」という指示語の内容を書かなかったこと、
「同じ」という意味の言葉を書かなかったこと、
と私は考えます。
また、「緒澤は違うのか」という否定の問いかけに、「そうだ」と肯定で答えている点も、問いがとらえにくい原因であることも補足しておきます。
記述問題でも、選択肢問題でも、そうなのですが、
思い込みで答えを書いたり決めたりした結果として間違えるということが、
国語が苦手な生徒には多いと感じています。
その思い込みを防ぐためにも、
客観的な解き方をする必要があるのですが、
その一方法として、
問いのパターンを知り、型に当てはめて答える
と良いと思います。
そうすれば、今回の問3では、
指示語を言い換えるという部分を見落とすことなく、
また、問いに「どのようなこと」とあるのだから、「同じ」を言い換える必要がある
と発想して、大きく得点を取れるようになると思うのです。
ぜひ、問いのパターンを知り、「型」に当てはめて答えることを身につけ、
6/11の「第2回志望校判定サピックスオープン」では、国語B(記述)問題で大きく得点を伸ばしましょう!