こんにちは、太田 陽光です。
今回は「推理する力」について書きます。
まず「推理」とはどういう意味かを、
「どの国語辞典が良いですか?」という質問を私が受けた際に答える、
『旺文社国語辞典』で調べてみると、
「わかっている事実をもとにして、まだわかっていない事をおしはかること」
と書かれていました。
今回は、「推理する力」の重要なポイントの、「わかっている事実をもとにする」について書き、
次回、「まだわかっていない事をおしはかること」について書きます。
国語の成績が振るわない生徒のタイプの一つに、
読んだときに自分の印象に残ったことのみで問題を解いてしまう、
あるいは、
読んだものに自分で勝手に間違った内容を補って問題を解いてしまう、
ということがあります。
どちらも、「わかっている事実をもとにする」ということがしっかりと行えていないのだと思います。
ところで、「読解力」という言葉がありますが、
『旺文社国語辞典』で調べてみると、
文章を読んで内容を理解する力、ということが書いてあります。
(そのままですよね。このわかりやすさが、私が『旺文社国語辞典』を勧める理由です。)
国語の成績が良い生徒は、この読解力が身についているのでしょう。
では、同じように文章を読んで、同じように問題を解いているのに、
国語の成績が振るわない生徒がいるのはどうしてでしょう?
それは、
「文章を読んだ時の情報収集量の差」です。
まずは、わかっている情報(事実)をたくさん集めることができるようにすること、
これが「読解力」を身につけるための第一歩です。
では、わかっている情報をたくさん集める力をつけるためには、
どのようなトレーニングをすればよいのでしょうか。
私がお勧めするのは、
問いにたくさんの線を引くこと
です。
例えば、
-①「私たちができる環境運動」とありますが、具体的にはどのようなことですか。文章中から20字以内でぬき出しなさい。
という問いがあったとします。
そのときに、
-①「私たちができる環境運動」とありますが、これは具体的にはどのようなことですか。文章中から20字以内でぬき出しなさい。
といように、答えを出すのに絶対に必要な部分に、短く線を引いていく、ということです。
問いは、本文よりもはるかに短いので、
読むのに長い時間を必要としませんし、
すぐに「わかっている情報」を見つけられます。
そして、今まで問いを、ばく然と読んでいた生徒が、「わかっている情報」を意識して読むようになります。
私が何も指示をせずに、問いに線を引くことを促すと、
多くの生徒は、長い一本の線を引きます。
しかしそれでは、たくさんの情報を手に入れることができません。
たくさんある「わかっている情報」を、大きくひとまとめにしてとらえているからです。
だから、問いにたくさんの線を引くことで、たくさんの「わかっている情報」を手に入れられるのです。
また、問題作成者は、問いにさまざまなヒントを入れています。
そのヒントは、「わかっている情報」 ・「わかっている事実」とも言えます。
例えば、
「当てはまらないものを選べ。」
と問いに書いてあるのに、当てはまるものを選んでしまうのは、
問いのヒントを、問いのわかっている事実を、見逃しているということです。
このような単純な読み取りポイントを見逃してしまう生徒に必要なトレーニングこそ、
問いに線をたくさん引くこと、だと思います。
問いに線を引くことで、問いで「わかっている事実」を意識するようになるのです。
上記のことを行ったうえで、
次回書く推理する力のもう一つのポイント「まだわかっていない事をおしはかる」ということを行えば、
国語の成績が振るわないことから脱出できると思います。