こんにちは、太田 陽光です。
今回は9月からの志望校対策として行う過去問について書きます。
今まで塾に通っていた受験生の喫緊の目標としては、塾のテストで結果を出し、クラスをアップさせることとだったと思います。
しかし、9月になってからはそれが変わります。
いよいよ志望校に合格するための学習が本格化します。
過去問の使用です。
いくら塾のテストで好成績をとっても、志望校の問題とは傾向が違います。
それは、9月以降に行われる、志望校の合格確率のわかる、志望校判定テストでも同じです。
志望校に合格するために一番良いテスト、つまり、出題傾向が同じテストは、志望校が出した過去問です。
この過去問をいかに有効に活用できるかが、あと4,,5か月後に迫った入試の合格に関わってくるのです。
しかし、過去問をただ解くだけでは、多くの効果は得られないと思います。
たとえば、何点取ったから受験者平均を越えた、合格者平均まであと何点だ、という結果のみを見ただけでは、そのときの満足感を得られるだけで、その先の学習につながりません。
私は過去問を解く意義のひとつめは、志望校の問題傾向を知ることだと思います。
それも、早い段階、9月や10月の時期に知るべきだと思っています。
早い段階で志望校の傾向を知ることにより、
どのような分野を勉強していけばいいのか、
どのような部分が自分に不足しているか、
などを知り、その先の学習で無駄な時間を作らずにすみます。
学校によって傾向は本当に違うということを、説明します。
四谷大塚合不合判定テストのAライン80%偏差値で、52の共立女子中学と、51の田園調布学園中学という同程度の偏差値の女子中学校で比較してみます。
共立女子中学の問題傾向
1選択肢問題が多い(例年20問以上)
2記述問題が少ないうえに、字数が少ない(例年3問程度で総字数100字程度)
3文章問題が大問3題
4漢字を8問 独立した大問として出題
5漢字以外の知識問題を独立した大問として出題
6韻文を出題
選択肢問題が多く記述問題が少ない、また、知識問題が多い、ということから、短い時間の中で、効率よく問題を解いていく、言い換えれば情報処理能力を求められる問題傾向といえます。
また、韻文(詩・短歌・俳句)が必ず出題されるので、対策を行う必要があります。
田園調布学園中学の問題傾向
1選択肢問題がやや多い(例年10~15問)
2記述問題はやや少ないが、字数が多い(2023年第1回では4問・総字数約230字 ※学校のHPの模範解答より算出)
3文章問題が大問2題
4漢字は6問 文章問題内にある
5知識問題は出されるが、多くはなく、文章問題内にある
6自由記述問題が出題される回もある
選択肢問題がやや多い上に、長い記述問題もある。一方で知識問題はそれほど多くないので、文章問題を解く、言い換えれば読解能力を求められる問題傾向といえます。
このように、同程度の偏差値の学校でも、問題傾向が異なり、入試までにどのような学習をしていかなければならないかも変わってきます。
そのためにも、早い段階で、受けると考えている中学の過去問を解き、傾向をいち早く知り、その対策を行っていくことが重要です。
また、志望校が絞り切れていない場合、過去問を解くことで学校との相性を知ることができ、受験校決定の一指標とすることもできます。
早めに志望校を決めて、その学校の傾向にあった学習をすることでの無駄のなさも、時間が限られている中ではやはり重要なことでしょう。
まとめ
過去問を9月から始める目的
①志望校受験に向けて効率的な学習をするため
②志望校選択の指標にするため